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頑張っているのに、なぜか財務が改善しない会社の特徴

SPECIAL

ダイヤモンド財務コンサルタント

ユメリアコンサルティング株式会社

代表取締役 

次世代経営者専門の財務コンサルティング機関。同族会社のオーナー社長・二代目社長に対して、経営基盤を頑強なものにする、「ダイヤモンド財務」の築き方を指導。

最近では、盛んに事業承継に関するセミナーや、後継社長向けの講座などが数多くありますし、書籍もたくさん売られています。そんなこともあって、まさに情報の洪水…といったところでしょうか。実際に、ご相談にいらっしゃる社長さん方からも、「手あたり次第書籍を読んだけど、結局実務に活かせなかった」とか「セミナーや勉強会はどれもオベンキョウレベルの話で、社長としての実務に繋がらない」とか、中には「実際に専門家に指導を依頼したけれど、どうも何かが違う…」というお話を伺う機会があります。

どの社長さんも、自社の未来をより明るいものにしようと願い、必死に、懸命に努力をしているのですが、なぜか思うような結果が得られない…と悩んでいるのです。では、なぜ、このような事態が起きてしまうのでしょうか?

一言でいうと、「努力の仕方が間違っている」ことが原因なのです。つまり、財務に関する全体像を理解する前に、個々の各論から入ってしまっているのが最大の原因なのです。

例えば、「強固な家造りがしたい」と考えたとします。そうなれば、家全体の設計図を描きつつ、しっかりとした土台づくりが必要です。その上で、家の骨組みや内装などが必要となってくるわけです。それなのに、イキナリ内装のやり方を学んでも、あるいは、屋根の取り付け方法をマスターしたとしても、それぞれ単体の知識や技術だけでは、なんら、結果が得られなくて当然なのです。

財務も同様で、財務中心の会社づくりには、絶対的な手順と、見落としてはいけないチェックポイントが、会社の規模・業種にもよりますが、幾多も存在します。つまり、オベンキョウというレベルの話ではなく、会社経営にまつわるお金の管理の仕方、つまり、社長が社長業として担う「財務」の実務に落とし込めなければ、何ら意味がないのです。

具体的には、社長として自社のお金の流れを理解することから始まり、正しい経営判断を下すための経営管理体制の構築、失敗しない銀行対応の進め方や正しい節税対策のやり方、美しい決算書を創るための自社の財務の磨き方、さらには、自社株式を円滑に承継するための具体策やいわゆる「争族」対策などなど…、どの実務もそれぞれ奥が深く、表面的な知識や小手先の技術だけで対応すれば、ほぼ間違いなく、手痛いしっぺ返しが待ち受けます。しかし、多くの社長はその事実に気づかないまま社長に就任してしまうのです。

そして、さらに、同族会社の場合には、同族会社特有の特殊事情が複雑に絡み合ってきます。

例えば、大企業の社長は何か困ったことや不祥事があった場合、責任を取って辞めるということができます。しかし、同族会社の場合は、一度社長に就任したら最後、自分で会社の出口を決め、自分で引退の道筋を作らない限り辞められないのです。

つまり、どんなに辛く、苦しいことがあったとしても、誤解を恐れずにいえば、どんなに借金が多くて首がまわらなくなってしまったとしても、絶対に逃げられないのです。しかし、社長自身が「財務」を知っていれば、会社や家族だけでなく、何より社長自身を守ることができます。真に財務の実務を知り、財務中心の会社づくりを社長自らが手掛けることによって、「儲かって潰れない」「利益を出してお金が残る」強い財務体質の会社づくりをすることができるのです。

財務は、あくまでも会社の未来を創るための社長の実務であり、社長と家族の人生を守るための最も重要な実務でもあるのです。

ダイヤモンド財務®コンサルタント
   舘野 愛

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