第74号:差別化に成功する経営者と失敗する経営者の違い
先日、ある経営者さんから「自社の生き残りをかけて差別化に取り組んでいるのですが、なかなか自社の強みも見つからず、差別化することがうまくいきません。どのようにしたらよろしいでしょうか」という相談を受けました。
市場が減少していく時代、価格競争に巻き込まれている企業は、ますます経営が厳しくなっています。一方で、差別化に成功した企業はどんどん業績を伸ばしています。
多くの経営者さんからの相談をお聞きしている中で、差別化に失敗する経営者のパターンが見えてきました。
それは、差別化に失敗する経営者は、自社の差別化のために自社と競合他社との存在ばかりに目を向け、顧客にとってどういう存在になるのかという視点が欠けているということです。顧客視点での真のニーズの理解が欠けたまま、競合他社にばかり意識がいっているのです。
逆に、差別化に成功するということは、価格競争から脱却するということですが、それには、自社の最重要顧客が明確で、その顧客の真のニーズの理解が不可欠です。
顧客にしてみれば、企業の差別化に関心などありません。消費者は、他にないサービスだからといって、その企業を選ぶわけではありません。消費者の一番の関心は、自分にとって最も有益な商品やサービスかどうか、なのです。
すなわち、他社との差別化に目を向けるのではなく、顧客にとって最適な商品やサービスは何なのかを追求すること、そして自社の提供する価値をわかりやすく顧客に伝える活動が大切なのです。顧客とのすべての接点において価値が実感できるための仕組みが必要なのです。その結果として消費者から見たとき、差別化になるわけです。
差別化に成功する会社とは、自社の顧客とは誰かを明確にし、その顧客の満足の追求をし続けている会社です。差別化に失敗する経営者は、競合他社の存在ばかりに目を向け、顧客の真のニーズを把握していないことが最大の問題なのです。
顧客満足とは、顧客の要望してくることに応えることではありません。顧客本人も気づいていない真の問題を解決してあげることなのです。顧客の気づかない問題を解決するからこそ、顧客は他社と比べることができないのです。
顧客の真のニーズを把握できていますか?
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