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社長の発する真実の物語(トゥルー・ストーリー)のみが人々の心を打つ―下手なCMより効果的な経営者のリアル情報発信―  

SPECIAL

地方メディアの高度有効活用コンサルタント

株式会社メディアコネクション

代表取締役 

広告分野における地方メディアの高度有効活用を専門とするコンサルタント。東京在住中のマーケティングビジネス経営の経験と地方企業への経営革新支援ノウハウの融合させた、独自の「儲かるための広告戦略」を開発。自らも成功実践事例として、地方メディアを舞台に展開。

前回のコラムでは、先代経営者と後継者のコミュニケーションを取り上げ、その難しさについて述べました。

現代は、昔に比べて流行の変遷など時代の流れがあまりにも急激なため、感覚的にとてもついて行けない先代と、その直中(ただなか)をリアルに生きている後継者との世代間ギャップを埋めるのには大きな困難を伴う、ということを書いたのです。

この点、様々な世代が混在する顧客との距離間の取り方を考えた場合、一体どうすればいいのでしょうか。

いつの時代でも若い人は、その次の時代のお客さん候補であることに違いはありません。今の若い層とのコミュニケーションギャップを埋められなければ、長期にわたって自社を支持してもらうことは難しくなります。

しかしながら、現代の若い人は掴みどころがなく、一体どうすれば彼らに支持されるのかわかりにくい、と言われています。ただ、これに近い言葉はいつの時代も言われ続けてきたことで、新しい世代の実態や生態が掴みにくいと思われるのは昔から変わらない現実でもあります。

とはいえ、今の若い層はSNSなどを駆使して、かなり個別に情報収集を行ない自らのライフスタイルを考え、消費行動を決めるようになってきました。

従って、流行情報の発信などを通じて、消費者全体にマスメディアの影響力が大きかった以前よりもその傾向が捉えにくくなっていることは事実です。

ここで大切なのは、彼ら若者がSNSを通じて情報を収集するだけでなく、情報の発信者でもあるということです。

常に情報を発信し続けている彼らは、SNSの持つ利便性や特徴、弱点に至るまで熟知しているといっていいでしょう。

そこで交わされているのは、お互いの目線の高さを合わせたリアルで身近な情報です。

これに対して、企業が仕掛ける商業色の強い恣意的な情報操作は、あまり効き目がありません。よく言われる「ステマ」(注:ステルスマーケティング=消費者に宣伝と気付かれないように巧みに仕掛けられたマーケティング)は、すぐに見破ることができるのでかえってその企業や発信者のイメージを悪くする、とまで豪語しています。

つまり、これまで我々が普通に馴染んできた広告宣伝の手法では伝わりにくくなっているのです。

さあ、だからと言って、現役の経営者であるこちら側が、彼らと同じ目線の情報交流の世界に入っていくことはほぼ不可能です。無理をしてもぐり込もうとしても、かなりの違和感を持たれるだけでしょう。

自社の商材やサービスをアピールしていくのに際して、従来の広告宣伝と一線を画し、かといって若者と同列のSNSの世界に組み込まれる訳でもない、何か独自のポジショニングといったものはないのでしょうか。

私はその一つに、経営者が発信する我が社のストーリーが相応しいのではないか、と思っています。

もちろんそれが誇張されたり、極度に脚色されたりしたものでは、先のステマと同様の扱いを受けかねませんが、リアルにこれまで重ねてきたストーリーの素直な表現であれば、問題なく歓迎されるはずです。

その手段としてSNSを利用していくのは、彼らとまったく同じ土俵に立つ訳ではないものの、参加していないということでもなく、独自のポジションを作る結果になるのです。いずれにしても彼らが、ステマに代表されるあざとい広告宣伝よりも、リアルな世界のウソのないストーリーを求めていることは間違いありません。

ジェネレーションギャップを超えて、若い世代にも肯定的に受け入れられ、彼らの積極的な支持を得られるだけの力を、企業が重ねてきたストーリーは持っているはずです。そしてその情報発信を行なうのは誰でもない経営者自身です。

社長の発信するリアルストーリーは、世代を超えて支持されるものと信じてこの手法を是非実践していただきたいと強く思います。

  

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