粘り強い知財交渉と価値評価
「後藤さん、この金額やけどどう思う?妥当かな?」
これは、以前ある会社の社長さんから依頼を受けた案件で、社長さんから
受けた質問です。
この会社の保有知的財産の価値を簡易的に評価させていただき、社長さんと打ち合わせをしたのですが社長さんとしてはその金額の妥当性にまだ自信が持てないようで、上述の質問をしてこられたと感じました。
また、ある方の保有する意匠権を他社に使ってもらうために、その意匠権の価値を簡易的に評価させていただいたこともあります。
特に近年、知的財産を活用する上でその価値を評価するという仕事が私の周りにも増えていると実感します。
知的財産の評価にも、定量評価と定性評価があります。
定量評価は、言い換えれば「金銭に変えればいくらか?」ということです。
定性評価は、その知的財産の内容・残存期間・競合他社との比較・知的財産を活用して行うビジネスの市場状況等を勘案して価値を評価するものです。
知的財産の金銭的価値は、確立された評価方法が存在しない(理屈上は、コストアプローチ・マーケットアプローチ・インカムアプローチなどが考えられますが、どれも一長一短があります)ため、結局は知的財産の保有者と、それを使いたい者との交渉でしか決められないと私は考えています。
実際には上記の簡易評価は、この交渉のテーブルにつくためのスタートでしかなく、あとはお互いが交渉によって着地点を見出すしかありません。
保有者からすれば、できるだけ高く評価してほしい。
使う側からすれば、できるだけ安く使いたい。
当然のことですね。
したがって、交渉の際には金銭的な面だけではなく定性評価によって得られた「付加価値」(例えば、市場参入が容易になる、製品の訴求ポイントが増える、コストダウンができる、品質が上がる等々」もセットで交渉を行う必要が出てきます。
これらを総合判断し、お互いの主張も勘案した上で「落としどころ」を見出していくのです。
粘り強く交渉を行わなければ、この「落としどころ」は見えてきません。
金額を提示して、「これは高すぎる」と言われたからすぐにあきらめる、ということでは交渉にはなりません。これも当然のことです。
粘り強く交渉を行い、「落としどころ」に導くことです。
御社は粘り強く交渉していますか?
すぐにあきらめていませんか?
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