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【一流になれない日本人】

SPECIAL

「一流ビジネス」感性構築コンサルタント

茶人(ちゃびと)

代表 

究極のおもてなし「茶会」をベースに、一流ビジネスに必須の「感性」を磨く指導で定評。各ビジネスの感性の根幹となる起源に迫り、本物の上質、付加価値、空間、感覚…など、高級・ハイクラス化をはかるときの様々なビジネス要素を指導。

一社長として、世の社長たちに問います。PCやスマホを導入して便利にするのは一体何の目的で? 仕事を楽にするため? それとも仕事量を増やすため?

PCや携帯の導入によってさまざまな作業が潤滑化・簡略化され、結果として現代、仕事量は過去に比べて圧倒的に増えています。本来は便利な世の中にし、労働量を適度に削減して「人間の豊かな生活をサポート」するのが目的のはずの発明にも関わらず。

事実、家庭を維持する掃除洗濯に関しては、マイコンの高精度化によって劇的に楽になり、専業主婦にとってはその仕事が恐ろしく楽になりました。洗濯板を用いることなく、ボタン一つで全てやってくれるのですから。しかしその横で、合理化の成功による低価格化によりその質を落としながら、企業の労働量は加速度的に増え続けています。

作業の行き過ぎた細分化・分担により単純労働が増え続け、元々ホワイトワーカーだった職種が気づけばブルーワーカー化し、繰り返される低価格化により給料も上がらないまま。こんなことで労働の質が上がるとでも言うのでしょうか?

人間性とは知識だけでなく、教養(いわゆる日本的リベラル・アーツではなく、学際的な知識や知恵の習得・文化的教養を指す)が高まってこそはじめて、その質を高めることが出来るのです。もちろん人間性の高くない人に人間的魅力はなかなか生まれません(現代のゆとり世代・草食系男子がそれを象徴します)。人間的魅力が高くない人が質の高い仕事をするわけがなく、そんな人々が社会を構成しているので、自動的に企業も安売り競争に身を投げるしか無くなってしまいます。日本人の人間性低下の本質は、企業による情報デバイスの濫用にその原因があります。

PCや携帯などの情報デバイスは我々の生活を豊かにするどころか、人々を労働の呪縛から一寸たりとも解き放つまいと、我々を監視し社会に縛り続けています。休みの日にも鳴る電話、24時間関わらずに送られてくるメール、休日であってもそれらを確認しなければ飛んでくる上司の怒り。従業員の立場になってみてください、休みの日にすら会社の中にいるような気分から解き放たれることが無いのです。

だからと言ってそれら情報デバイスを今更捨てられるかと言えば、そうとは言えません。言い換えるなら、私たち日本人は情報デバイスに振り回され、人間らしい生活からどんどん遠のいているのです。従業員はおろか、社長ですら24時間気の休まる間が無くなってきているのです。

今一度、世の社長たちに問います。情報の超高速化とは、いったい何のために生まれ、何のために活用しているのでしょうか。今こそ、発明した文明を乗りこなすセンスが強く求められています。

いつまでも情報デバイスに振り回されているようでは、いくら企業規模が大きくなって売り上げ利益が伸びたとしても、人間としては一流にはなり得ません。一流とは、豊かな時間の使い方を知る人にのみ用いることが許される言葉、そして聖域なのです。あなたに一流企業を創造する気はありますか?

 

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