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社長にとって真の最優秀賞は、数字が上がる事だ。

SPECIAL

10億ビジネスの経営数値成長戦略コンサルタント

株式会社ノグチ経理相談室

代表取締役 

同族会社の業績を、10億20億事業に成長させる「経営数値」コンサルタント。客数や客単価・生産性などの業績を現す数値と、財務諸表の数値とを統合させることこそ、同族企業の成長の根源であると、「儲かる社長が押さえるべき商売7つの数値の法則」として体系化。頼りになる指導と、評価が高い。

「我が社がたった30人規模でこの最高賞をいただけたのは、協力会社の○○社長のおかげです。販売管理の数字は、大本のメーカーと直結していますが、顧客の声を拾って顧客満足度を上げるのは定性分析だから、定量分析の仕組みと分けていて、おかげで今回は大変名誉な最優秀賞をいただきました。」

大きな会場で名誉ある最高賞を取った若い経営者の講演を聴きました。

経営革新の仕組み造りをすすめている、優良会社に贈られるすばらしい賞です。

今までこの賞を受賞した中で最少人数の会社といいます。

この会社の取り組みは、顧客に関する情報を、営業担当者だけでなく、誰もが入力し、見ることが出来る、顧客情報の共有化です。

もともとソフト開発の優れた技能を持つ社長さんは、自らソフト開発の先頭に立って、顧客情報の集積システムを作り上げています。

すばらしい講演を聴きながら、何か腑に落ちない疑問がフツフツ沸いてきました。

協力してくれたソフト会社ばかり褒めるけれど、賞を取るために、システムを自ら開発したワケではないだろう?

二代目が、得意な分野を生かしたい、それなら単に趣味の延長ではないか。

いったい何に困っていたんだ?

なぜ、外部の協力者の話ばかりで、内部の協力者の話は出てこないのか?

数字に反映しない、お客様の声なんて、定性分析でも何でもないのでは?

私の疑問を写すかのように、講演の終わりの拍手は、おざなりの拍手でした。

駆け寄って、質問をする参加者は一人もいません。

疑問をどういう形で質問すべきなのかイスに深く座り込んでしまいました。

若い二代目経営者が、会社に入ると、古参の役職との軋轢が出やすいものです。

古参の役職社員が、若い経営者の方針について意見を言いやすいのは、自分たちが先代と親しかったという想いと、先代の成功事例つぶさに知っているからです。

先代の仕事の細やかな話は、たとえ息子であってもわからない。

そこで、若い二代目は考えました。

先代の成功事例を聞くよりも、今のお客様の不満や意見を聞いた方が、自分は素直に聞くことができる。

だったら、古参の役職社員にお客様の不満要望を聞いて回る仕事をしてもらおう。

今まで高額商品の販売に力を注いでいた古参役職社員達は、全社員の指導役として、お客様の不平不満を聞いて回るのが、仕事になりました。

現在継続して仕事をいただいているお客様の声、仕事をいただけなくなったお客様の声、一度でも当社が仕事をしてお客様に、お話を聞いて回ります。

簡単そうでいて、お客様の不平不満を聞くのは簡単ではありません。

たとえば、仕事が終わってすぐに担当者からアンケートを求められたとしましょう。

皆さんは、不満があった場合、その不満をすんなり書きますか?

目の前の担当者に対して、褒めたいことも不満もあるけれど、直接ありがとうと言ったのだから、改めてお褒めの言葉を改めて書こうとは思いません。

担当者も、褒めてほしいと催促するのは、社内アピールと思われ気恥ずかしい。

取引や営業が終わった数日後「いつもお世話になっております。」と、古参の社員が訪問を始めました。

まず、お客様にお話ししたのは、担当者の評価には関係がないので、ぜひ教えてほしいという言葉です。

普段は、担当者に遠慮して話さなかった不満もお褒めの言葉も、出始めました。

なぜ、取引をやめたのか?

何を褒めてもらえたのか?

わかったことは、お客様は技術的な難しい説明を要求していない。

当社のサービスで、何の不満もなく生活がスムーズにできるように前倒しにメンテナンスをしてほしい。

年間のメンテナンス料金が定額で変動がないことが嬉しい、と感じていました。

詳しい技術の説明や、チェックリストを説明されるより、いつでもいい状態に置いておくように、事前に知らせていただければ、専門家に任せるのです。

そこで、お知らせのはがきを出しました。

売り込みではなく、お知らせです。

値段が低いことが大事ではなくて、低い時と高い時が、波のうねりのようにやってくるのは嫌なのです。

生活費は決まっているのに、経費が乱高下するのは、会社経営でも嫌です。

お客様は、お金のことをいろいろ言われるのが、ちょっと苦痛でした。

社員は、仕事をキチンで行っていると説明しなくてはとおもい、専門用語を使っていました。

会社にとって大事なことは、お客様が安心して当社に身をゆだねてもらうことです。

誰が悪いかではなくて、どうすれば、お客様が満足してお金をくださるか?です。

一定金額のお支払いで、何があっても、何回でも、メンテナンスを受けられる仕組みを作りました。

たくさんのお客様が新しいサービスに契約してくださいました。

古参の役職社員たちが聞き取った不平不満は、直接担当者には、伝えません。

若い経営者は、古参の役職社員に叱られるのは、自分の役目だと自認しています。

といっても、直接毎日聞きたくないから、システムを作ったのが本音。

正直に言えば、社長だって褒めてもらいたい。

お客様から褒めてもらえる仕組みを作るのが、社長の夢です。

聞き取られた情報は、日報システムに、そのまま記載されていきます。

つまり、毎日のように全員が、お客様の不平不満、お褒めの言葉を、見ます。

従業員たちはどう変わっていったでしょうか?

「判断と情報量」はリンクする、二代目が絶対に譲れないと確信する言葉です。

社員からお客様にどう対処すべきか、アイデアが早く出るようになりました。

技術より清掃の方が評価が高いとわかると、清掃に力を入れ始めます。

残業が減りました。

効率よく働くことができるからです。

ゆるやかですが、利益は伸び始めました。

先代や古参社員が、大きく売上・利益を出していた時代があったことは、若い経営者もよく知っています。

商品を大量消費する時代の利益捻出法です。

いま、お客様が喜ぶのは、生活を豊かにするアイデアです。

いいアイデアをたくさん作ってお客様に喜んでもらうには、普通の社員を優秀な社員に変えるパラダイムチェンジ、つまり情報共有化が有効です。

「先代たちがいい顧客を残してくれました。

顧客の要望を引き出していければ、我々はもっと利益を出せる。

そのためには、みんなで考える社風が作れるかだと思うのです。」

物を売るから、価値を共有する、変革が起きています。

社員と共有する情報は何でしょうか?

それは、顧客情報です。顧客こそ、見つめるべき富だ

システムを定性分析のために作ったから定量には関係ないのではなく、「感謝」「清潔感」「ぴかぴか」など言葉を定量として引き出す事ができて、お客様の購入動機を引き出したのです。

本物の成果とは何でしょうか?

社長にとって最優秀と言われる賞は何でしょうか?

買って下さったお客様をカウントした数字だけが、その「最高」を示すのです。

社長にとって賞を取ったことは、「社内の敵」と闘って勝ち取った証。

本物の成果から意識をそらしてはいけません。

社長にとって、最高の賞は、自分の収益=売上・利益の数字が上がることです。

 

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