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社長がエネルギーを注ぐべき場所について―昔とは変化してきた経営者が注力すべきポイント―  

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地方メディアの高度有効活用コンサルタント

株式会社メディアコネクション

代表取締役 

広告分野における地方メディアの高度有効活用を専門とするコンサルタント。東京在住中のマーケティングビジネス経営の経験と地方企業への経営革新支援ノウハウの融合させた、独自の「儲かるための広告戦略」を開発。自らも成功実践事例として、地方メディアを舞台に展開。

経営者を取り巻く環境の中には、多くの「団体=会」が存在していて、そこにはいわゆる「会務」というものがあります。世の中には実にいろいろな「団体=会」があり、そのいずれにも全く所属していない経営者というのは珍しいのではないでしょうか。

「団体=会」の中には、そこそこ公的なものから極めて私的なものまで含めて、実に様々な形態があります。

大きなものでは商工会議所、商工会、法人会といった団体があり、資格者には医師会、歯科医師会、弁護士会、税理士会、公認会計士協会、司法書士会・・・など、多くの業界団体があります。

資格業の場合、強制的に加入しなければならないものから大半の資格者が所属しているものがあり、その「会務」の担当なども持ち回りで巡ってきます。

その他、中小企業家同友会、倫理法人会といった経営者を中心とした集まりや、ロータリークラブ、ライオンズクラブといった理念、目的を共有する団体などもあります。

こういった「団体=会」にはそれぞれの目的や役割といったものがあり、会員はそれを共有することで、会員同士の一体感や何かしらの目的意識を持つことになるのです。また、こういった団体の中には入会条件を厳しく制限しているものもあり、所属することそのものが、地域におけるステータスといった時代もあったようです。

日本では、かつてこういった団体の持つ役割は、それなりに大きかったのだろう、と思います。会員同士の情報交換などはもちろんのこと、その崇高な目的を共有することで、経営者としてよりレベルの高いステージを目指すモチベーションにもなったのでしょう。また、実務的なところではビジネス上の取引先開拓であったり、共同でイベントを行なうことなど1社ではできないことを実施したりと、そのメリットは様々だったのではないでしょうか。

ところで、上記のように「・・・だった・・」と、過去形で書かかれることに違和感を覚える人も多いと思います。「自分にとっては、○○会に貢献することは、現在進行形だぞ!」と。もちろん、こういった団体の役割が終わった訳でも必要性がなくなった訳でもありません。しかしながら、その存在感はかつてに比べてかなり小さなものになってきているのではないでしょうか。

前述のように、入会すること自体が地元におけるステータスで、入るためには既存会員の推薦など、厳しいルールが決められていた「会」もあったと聞きます。そんな「会」でもおそらく今では、新しい会員を勧誘すること自体難しくなっているのではないでしょうか。

経済が右肩上がりで、ある程度会社の仕組みや右腕となる番頭さん格の人材を作ってしまえば、社長は会社の外で「会務」に没頭しても経営は大丈夫、という時代もあったのでしょう。

しかしおそらく現代の経営においては、そんなのんきなことを言っていられる余裕はない、と思います。会社の業績が思わしくない場合、経営者は自社の経営に徹底して向き合わなければなりません。自身が先頭に立って会社を引っ張っていかなければならないのです。

その会社を引っ張っていくために、とりあえず経営者にできる最たるものが、経営者自らが行なう「情報発信」だと私は思っています。

「団体=会」に所属し会務に没頭することも、会社のストーリーを抽出しそれを発信することも、経営者自身にしかできないことなのです。

このコラムの冒頭いきなり「団体=会」の話を持ち出したのは、この二つは経営者以外の替えが効かない、という点で共通しているからです。

両者の共通点と相違点をわかりやすく比較するためにあえてテーマに取り上げました。

この二つを比較して理解できるのは、経営者が没頭すべきことも時代と共に変わるということなのです。

業績を維持することが余裕で可能だった頃はともかく、それが難しい状況になったならば、やるべきことを変えていかなければなりません。

その中の大きなテーマが、企業が行なう「情報発信」なのです。

しかも、その中心的な役割を経営者が担うことで企業の実績は大きく変わります。

それは、世の中によくある「会務」に比べて「情報発信」に取り組んでいる経営者の方が圧倒的に少ないからです。

今この「情報発信」に地道に取り組めば「差別化」は明らかに可能なのです。

私は何も「会務」を目の敵にするつもりはありませんが、経営が厳しい局面に立たされていたならば、今何をやるべきかは冷静に考えて欲しいのです。

 

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