何故、顧客満足度(CS)が上がっても売上は上がらないのか?
ある社長からの質問で、「顧客満足度(以下CS)を上げれば本当に売上は上がるのでしょうか?」という質問をされました。
その社長曰く、「アンケートの評価が上がっても実感として、売上は上がっていないので、CSと売上は直結していないのではないでしょうか?」とのこと。
確かに、ホテルなどでは客室に入っている総支配人宛のゲストアンケートや、飲食店ではテーブルの上に置いてある利用した感想等を記入するアンケート等、世の中にはアンケートが溢れています。
CSアンケート100点満点中で、以前平均70点だった店舗が、80点に向上したら本当に売上は上がるのでしょうか?
実際はそうあって欲しいのですが、アンケートの回収数、マーケット等の外的要因等により、なかなかそう単純に売上に直結する実感が少ないのが正直なところではないでしょうか?
それでは、「どうすればCSと売上を直結させることができるのでしょうか?」
ひとつは、アンケート実施の目的を明確にすることです。
アンケートの実施を売上向上という視点で考えると、一番大切なのは「リピーターを増やして、利用頻度を高めて売上を上げる」という視点です。
顧客の声を集めて、課題改善することでより多くの回数利用してもらうようにすること。
この事を念頭に置いて、アンケートの実施並びに課題を改善する必要があります。
アンケートでよくある回答形式、
「大変満足」
「満足」
「普通」
「やや不満」
「不満」
に〇をつけていただくような形式が多い印象があります。
これ自体は間違いではないのですが、大切なの見る視点です。
データを取る際に見なければいけないのは、「平均点」ではなく「大変満足の割合」です。
これは調査で明らかになっているのですが、顧客がリピートする確率は「不満」から「満足」まででは微増、「大変満足」で急激にリピート率が上がるという統計が出ています。
従って、平均点を幾ら上げてもそれが「不満」から「満足」の間で点数が上がっているとしたら、リピートはされず、思ったような売上の向上は見込めません。
皆さまも飲食店などを利用される時に「可もなく不可もなく」という店に、「また行ってみたいか?」というと、「わざわざ選んで行く」という心境には至らないのではないでしょうか。
それよりも、商品、サービスに感動を覚え、大変満足という印象を持った店には、「また行きたい!」という心境になるはずです。
従って売上に直結させる為に大切なのは、「平均点」を上げることではなく「大変満足」の比率を上げるということです。
とはいえ、平均点を上げることが意味が無いと申し上げるつもりもありませんし、相対的に全体の満足度を上げることも重要だとは思いますが、平均点だけではなく、「大変満足」の比率にも注目をしていただき、「その比率を上げる為に何をするか?」ということも同時に考えていただく必要があるということです。
それと「大変満足」の比率に注目することは、「脱、可もなく不可もなく」という施策になるので、スタッフの目線も上がりますし、サービスの品質のレベルアップが図られるという点でも効果が見込まれます。
あなたの会社では顧客満足度(CS)の目的を明確にしていますか?
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