確実に価値を高める方法
前回、生産性を上げるためにはいかに付加価値を上げていくかがポイントになるとお伝えしました。
いわゆる付加価値というと、だいたいにおいて“粗利”を指すことが多いですね。
数字で見るにはそれでいいと思いますが、お客様はいったい何に価値を感じてその対価であるお金を払うのでしょうか。
付加価値を生むには、その価値が何から生まれるのかを知らなければ、単なる数字をかき回しても何も出てきません。
自社のモノやサービス、あるいは他社のモノやサービスを比較して、さらなる付加価値を追求しても視野が狭くなりがちで、本物の価値は生み出せません。
取ってつけたようないらないサービスが増えていくだけですね。
価値の構造を知ることで、発想の転換と拡大が可能となり、本質的な価値を創造できるのです。
価値とは、大きく3つの要素から成り立ちます。
その3つとは、
- 有用性
- 希少性
- 適時性
となります。
まず“有用性”とは、わかりやすく言うと、その人にとって役に立つかどうかです。
非常に役立つものであれば、それだけでも価値は高くなります。
逆にそのモノやサービスがその人にとってまったく役に立たなければ、何の価値も無いことになります。
次に“希少性”はそのままですね。
そのモノやサービスの数が限られているということです。
これは絶対的な数が少ない場合でも、需要量に対して供給量が相対的に少ない場合でも希少性は高いと言えます。
数が少ない、というのは価値が高まりやすくなる条件の一つです。
逆にどこでも手に入るものであれば、価値は上がりにくいですよね。
最後に“適時性”は必要なまさにその時にそのモノやサービスが使えるのかどうかです。
自身が使いたい時に使えることは大きな価値を生み出します。
1年後や2年後になってようやく使えるのであれば価値は上がりにくくなります。
以上の有用性、希少性、適時性の3つが価値の本質となります。
この3つを同時に満足させるようなモノやサービスを作り上げ、提供すれば付加価値は飛躍的に高まります。
つまり粗利益の額、率ともに上げやすくなり、企業を儲かる体質にすることができるということです。
一番いいのは、3つ全てを満たすことですが、いきなりそれは難しいでしょう。
まずは自社がどういう価値を提供しているのか、をしっかりと言語化し、有用性、希少性、適時性のバランスを知ることです。
また重要なポイントとして、この価値の3要素は“人によって”異なるということも頭に叩き込んでおく必要があります。
話はそれますが、“万人受け”するモノやサービスはこの時代ほとんど存在しません。
価値を高めるには“誰に”提供するのかをまず考えなければならないのです。
話を戻します。
有用性が無ければそもそも価値はないに等しいですが、あったとしてもそのモノやサービスがどこにでもあるものだったら希少性を満たしておらず、お客様に選ばれにくいわけです。さらに価格競争に陥りやすくなります。
同じ状況でもモノやサービスを提供する時間が早ければライバルに多少の差をつけることができ、お客様に選ばれやすくなるでしょう。
適時性を満たすということですね。
とにかく自社の提供する価値の強みを知り、どこで勝負するのかということを考え、実践することです。
ただ、どんな小さな業界にも競合他社は存在します。
価値を上げるために3要素を満たしても、それ以上の価値を提供する他社が必ず現れます。
ですので常に既存のモノやサービスのブラッシュアップと同時に新規のモノやサービスの開発を行う必要があるのです。
それが会社自体の“価値”を上げることにつながります。
経営者の皆さんは、自社の顧客にとっての価値とは何か、を起点に付加価値戦略を考えていますか?
誰も欲しくないようなものを勝手に付け加えて価格を上げたりしていませんか?
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