「チェーン経営で稼ぐ力を研ぎ澄ます」
先生、うちは 店型がたくさんありまして標準化できないんです。と先日お見えになったある経営者からのご相談です。
――――店型の数と標準化は関係ありませんから大丈夫です。とキッパリ申し上げました。
社長として新しいことに取り組みたくても、幹部の方々がブレーキを踏み込み、進まないケースは、よくあることです。
コストがさがらない理由を店型の責任にし、標準化を売上減と考えるのも、その一つと言えます。
人口減少、少子高齢化の余波は大きく、今まで通りにやっていけば 売上・利益は下がる一方です。
ここで大事なことは、目先のことだけでなく、将来的にどこで収益を増やし、それにむけコストをどう再配分していくか?ということになります。
「それが見えないから苦労してるんです」という声が聞こえてきそうですが、
実は、そんなに難しいことはありあません。
ざっくり申し上げますと、代表的な店型の中で利益に結びついていないことと、利益の柱になっている部分を俯瞰してみるということです。
「うちには そんな 調べる余裕はないのですが」という声が聞こえてきそうですが
例えば、仮説として、新店も改装の新たな投資をせずに、利益が増える店をつくるとしたら、現状では何が必要で何が余計なのかを再設計していくことです。
現状の店舗営業は、すべてに人手が必ずかかっているわけで、だれもが感じている社内のムリムダを顕在化させ、それを見直し一旦身軽になる。ことがその鍵となってきます。
本部でも、店舗でも忙しさに追いまくられているかぎりは、中々こういった思考になっていきません。
そこで一旦立ち止まって、創業時に効果があったことでも、よくみていくと、多忙にしているだけで、お客様や社員にとっても面白味ないことが、占めていることがあります。
例えば、その一例に、新聞折り込みチラシなどがあります。
--------これにかかっている人件費、どれくらいか?調べたことがありますか?とお聞きしますと
「うーん それは 調べてないです。どこもやってますから、(聖域ですから)やめたら大変なことになります」
どこでもやっていること、だから、正しいとは限りません。
かつて、「問屋が無くなるなんて考えられない」と言われてから数年で、小売りの直接仕入れ、中抜きは始まりました。
今は「小売りが無くなるなんて考えられない」と言われないまでも、メーカーネット通販は当たり前で、その中抜きに小売りチェーンは悩まされているわけです。
「新聞折り込みチラシが無くなるなんて考えられない」と言われながら、新聞発行部数は10年以上毎年減りつづけ、日経すらとっておられない若いビジネスマンも多いのには驚きます。
インターネットの普及とともに、発行部数が減る、若い読者が減っている。
そこに、価格訴求チラシを年間52回投入し続ける。
これだけに頼るやり方はいつか見極めないと、経費倒れになる。
その状況が今、目の前にあるとしたら、それでも同じことを続けますか?ということです。
こうした仮説に基づき検証をしていきますと、浮き彫りになってくるのが、チェーン店としての販売力低下です。
チラシがないと売る商品が分からず、自力で売っていく仕組みがないことに改めて気づくことがあります。
コンビニエンスストアがこれだけ成長した背景には、チラシが無くても売るべき商品が分かっているから、安定的にお客様が来てくれると言えます。
我々チェーンが、本来お客様に対してとるべきことは、チラシに頼らず自店で売るべき商品を決め、利益を出す仕組みをつくることと言えます。
「何を いまさら」という声が聞こえてきそうですが
自ら稼ぐ力を研ぎ澄ますことで、3年5年と成長し続けている中堅チェーンが存在するのは事実です。
売上利益を生むのは、チラシの有無より販売力の有無であり、中でも営業時間中に商品の品切れさせないことが、もっとも客数を増やすことに繋がる。ということです。
さあ、あなたのチェーンではまだ、チラシの有無で落ち込みますか、それとも販売力を研ぎ澄ますことで這い上がりますか?
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