社長が知っておくべき、ストレスに強い社員の育て方
「ストレスチェックは義務化されたから仕方なくやっている。」
「メンタル不調者をあぶり出す制度だと認識されてしまって、社員が受けたがらない」とストレスチェックを生かしきれない中小企業が、なんと多いことか。
社員がイキイキ働き業績を伸ばしている会社の社長の考えは100%違います。ストレスチェックを「義務化されたのならば、最大限に生かしていこう」と考えています。
そのため実施にあたり、その目的を社員に誤解のないように伝える努力をしています。というのもこの制度は、冒頭でも申し上げましたが、メンタル不調者をあぶり出すものではないか、それにより昇進昇給に影響してしまうのではないかという誤解が根強くあるからなのです。
正しい目的が理解されていない場合、社員の中には、「昨年受けたら高ストレスになってしまい産業医面談を受けることになってしまった。だから今年は高ストレスにならないような回答にしよう」などと考える人もいます。
これでは、会社がやる意義も、社員が受検する意義もありません。社員がイキイキ働き業績を伸ばしている職場では、社員自ら、ストレスマネジメントが出来るように日々、情報提供や機会提供を積極的に行っています。
現代社会でストレスを全く感じず生活することは不可能です。また、そもそもストレスは悪者だと決めつけるのは間違いなのです。新しい職種、職位、新規プロジェクトや、新規顧客開拓へのチャレンジなどは、本人のやる気にもつながりますし、成功すれば実績となり自信にもなります。つまり、適切なストレスは、成長する機会を与えてくれるのです。
ですが、ストレス過多の状態を放っておくと、落ち込みや不安、イライラなど、個人によって心身にさまざまな症状が現れることも事実です。そして、これらの症状は我慢していても改善するものでもありません。
社員がイキイキ働き業績を伸ばすためには、社員一人ひとりのストレス対処能力が高いことが大変重要です。にも拘わらず、実は、ストレスへの対処方法について、あまり学ぶ機会がないのが現状です。
ここで重要なことは、経営者、経営陣が、メンタル不調者をなくすという視点ではなく、社員のストレス対処能力を上げることが重要だということに気づいていることです。そして正しい方法で、ストレス対処能力向上のために、すべきことをやっているということです。
社員のストレス対処能力を上げるためには、様々な方法があります。実際に多くの企業で取り入れられているのが、研修などで知識やスキルを提供することや、社内にメンター制度を導入する、外部にカウンセリングを委託するなど制度を整備するというものです。
ですが、日々のストレス対処のために最も必要なのは、普段から仕事に対して、職場に対して、ポジティブな感情を持っているということなのです。
例えば、この会社で働くことが楽しい、この組織に属していることを誇りに感じるなどのポジティブ感情です。あるいは、社員が気軽に参加できる、気分転換になる、楽しいなどのポジティブ感情が生まれるイベントだったり、社内の場づくりだったりします。
そのため、会社はストレスチェックの機会を利用して、社員へ正しい情報提供と、ポジティブ感情を持てるような場づくりを提供していくべきなのです。
さて、御社には、社員のストレス対処能力を向上させる策がありますか。
社員がポジティブ感情を持てるような場づくりがなされていますか。
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