カウンセリングを受けたら絶対上手くいきますか?
「カウンセリングを受けたら絶対上手くいきますか?」
カウンセラーを続けていたら、こういった類の質問を受けることがあることでしょう。
私はカウンセラー専門の開業・集客コンサルタントの業務を主にしていますが、現役のカウンセラーでもあります。ですので、こういったニュアンスのご質問は何度も経験しました。
カウンセリングの最中でも、クライアントにある課題を出した際、「これをやれば治るんですね」と確かめてくるケースがあります。
「これをやれば治ります」「絶対に上手くいきます」と言えないのは当然なのですが、クライアントは相当な不安を抱えているので、丁寧に返答する必要があります。
カウンセラーとしての立場でクライアントに接する時は、このようにするのがいいでしょう。
ところが、ご自身がコーチングを受ける、あるいはコンサルティングを受ける立場になると、とたんに同じような質問をしがちになるのです。
「個別コンサルティングを受けたら絶対成功できますか?」
弊社主催のセミナーや体験セッションで、独立開業を目指すカウンセラーさんがこのような質問を私にしてくることがあります。
これも先ほどと同じで、先行きの不安から思わずこういった質問をしてしまった、ということもあるでしょう。
でも本気で問いかけてくる人もいるのです。確証がないと行動しない、行動できないということです。
絶対はないことを説明すると、「じゃあ、いいです」と急に態度を変えてしまう人もおられました。
かなり極端な事例をあげましたが、そこまででなくても割と極端に考えてしまう癖が人にはあるのです。
成功する人は、この辺りの考え方が違います。極端志向にはならず、柔軟に考えられるのです。
例えば、先ほどの「これをやれば絶対上手くいきますか?」のケースだと、「完全な正解という行動はないけど、完全に間違っている行動などない」と成功する人は捉えます。
100%正しくはないけど、100%間違いではない。
ある行動における正しさは、1%以上99%以下ということです。要するに、目標に向かって行動するときに、その行動は、絶対に無駄ではないけど、これをやりさえすれば絶対に上手くいくというものはない、ということです。
(こんなことわかっているよ)
と思われる人も多いと思います。
ただ、頭ではわかっていても、いざ自分が何か行動を起こすときに、不安を感じて行動にブレーキをかけてしまうことがあるのです。
実はこれ、今の私にもあるのです。
「これを実行すれば上手くいくだろうか?」と考えて、二の足を踏んでいるのです。
この時に、私は「浮かんだアイデア、ノウハウ、行動は全て自分にとって正しい。でも、それは1%以上99%以下である」「だから、とりあえずやってみよう!」とい自分に言い聞かせて、行動するようにしています。
こう考えると、打つ手は山ほどあるわけです。
あれもいいのではないか、これも良さそう、とアイデアが次から次へと浮んできます。
浮かんだアイデアは、必ず書き留めておきましょう。
書き留めておかないと、アイデアが頭の中でグルグル回るだけで、「どれが正解なんだろう?」と再び0か100か思考に陥ります。
「打つ手がない」という人は、自ら成功の可能性を閉ざしているだけです。誰もあなたの邪魔はしていないのです。成功の邪魔をしている最大のものは自身の思考です。
極端な思考になると、身動きが取れなくなってしまいます。自分の思考でワナを仕掛けておいて、自分でそのワナにハマってしまうようなものです。
例えば、テニスでもそうですよね。
ラケットの持ち方や基本的なフォームを教わったら、まずはボールを実際に打ってみる。上手く打ち返せないかもしれないけど、絶対に間違っているということはありませんよね。
100%完璧には打ち返せないけど、最低でも1%以上は打ち返せて、成長することができます。この時に、完璧に打ち返したいから、それまでは絶対行動しない人がいたらどうでしょう。
「この打ち方が正解でしょうか?」「こうすれば絶対上手くいきますか?」「何回素振りをしたら、打ち返せるようになりますか?」とコーチから納得できる答えを聞くまでは実践しないとしたら・・・
もちろんこれは極端な話です。
大事なのは、《正解がわからないけど、実践していくこと》です。
テニスだと、何度もボールを打ち返しているうちに、自分なりに工夫するようになります。
そうすると、1%だった正解が、5%、10%と徐々に上がっていくのです。
繰り返し行動することで、身体が覚えてくるのです。
これは開業カウンセラーも全く同じです。
アイデアを実行すると、いきなり100%正解を出すことはありません。
1%上手くいっただけかもしれません。その場合、99%は上手くいかなかったわけです。
なかなか成果が出ない人は、一度チャレンジして上手くいかなかった(と判断した)ものを「これはダメでした」という傾向があります。
でも実は、「上手くいかなかった」ように思える行動の中には、成功のタネが潜んでいるのです。
このたった1%上手くいったという事実に気づけるかどうか、そして、上手くいったパーセンテージを上げるために、行動を続けられるかどうかが、成否をわけるポイントになるのです。
「絶対上手くいくだろうか?」「失敗はしないだろうか?」という思考になっていたら、極端思考になっていることに気づくチャンスですよ。
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