「チェーン経営で改革のスピードを上げる」
「先生、一年経過していない、改善効果はどう捉えればいいのでしょうか?」
先日 弊社にお見えになった経営者からご相談です。
------実際は、一年を経過しないと改善効果はみえません。とキッパリ申し上げました。
だからと言って、課題を先送りにしていたのでは改善は一向に進みません。
そのためには、仮説と検証を重ねていくことになります。
もちろん 誰でも失敗はしたくないので、仮説を設定するうえでは、経営数値や情報データを集め精度を上げるのは当然です。がしかし、その目的は精度よりも、決断のスピードを上げる点にあります。
決断力のある人といえば、ご創業者であったり、あるいは企業が窮地に追い込まれ、幾多の苦悩を切り抜けてこられた方々です。
取りも直さず、こういった経営者の強さは、この仮説力があるからに他ありません。
一方では、中々決められない 決断力のない方もおられまして、数カ月先の仮説すら立てることができない企業は、動きが遅いといえます。
店舗業務であれば、経常を増やすには、人時売上を18000円に引き上げることが必要で、店舗では、毎日の商品量、販促計画、から必要作業量の仮説をたて、そのシステムデータをもとに「仮説・検証」を繰り返し日々実践します。
これを店長だけでなく、マネジャーやパートナー社員も実践することで、人時生産性が変わってくるといえます。
一方で、生産性を上げなくてはならないことは、知っていても、それがどのくらいなのか見当がつかなければ、検証データは何を用意すればいいのか、わかりません。
そこから、生産性をあげる手順を、運営部長に指導しなければならないわけで、これでは生産性を上げることはできません。
人時生産性というものは、すぐに結果はでませんから、今やってることが3年後5年後の企業にどういう結果をもたらすのか?という仮説が立てられなくては、その重要性が見えてきません。
断っておきますが、新規出店で、売上という母数を増やすやりかたが、ダメといってるわけではありません。
大事なことは、既存店売り上げが伸び悩み、人手不足が深刻化する中、手間がかかる非効率な作業を放置し、規模の拡大経営を続ければ、利益が無くなるのは火を見るよりも明らかと言うことです。
経営トップの決断が早い企業には、多くのメリットが手にはいります。なにしろ仮説をたてることに時間をかけませんから、関連部門スタッフや店舗に余計な負担がかかりません。
また、お取引先に対しても、信頼関係が高まり優位な交渉ができます。
経営トップの決断が早いということは、自社にとってもお取引先にとっても、ローコストで協業ができるということです。
一方で決断が遅いということは、ハイコストであり、社内の信用を大きく失墜させるということになります。
またお取引先にとっても、その決定に時間がかかるということは、リスクであることから、契約書を交わしてからでないと動けないという状況に発展し、社内の点検部門やスタッフが膨張し、本部の人時生産性も低下していきます。
これまで多くの経営者とお会いし協業してきたなかで、抜群の仮説力を養ってこられた経営トップには共通点があります。
私はそれは、情熱、謙虚、挑戦者であると考えます。
企業使命を果たす「情熱」を持ち続け
見えぬものを見えるようにしていく「謙虚」さを備え
過去の記録を塗り替える「挑戦者」であり続ける
今日どんなに素晴らしい結果がでていても明日はどうなるかわかりません。
信頼を得るには、時間がかかりますが、信頼を失うのは一瞬です。
だからこそ、経営者たるもの、必死にもがき自ら道を切り開き続けなければ、社員は誰一人ついてこなくなり、顧客やお取引先は競合にもっていかれます。
さあ、貴社では、こういったことを検証するしくみお持ちでしょうか?
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