顧客の嗜好を追求すると店が潰れる理由
昨今、定量化できるデータを使って顧客を分類するのは当たり前となっています。
さらにその先を一歩進んで定性的なデータ、たとえば仕事や夢、趣味嗜好、人間関係などが気軽に話せる店舗となれば非常に強い存在となります。
人間同士のつながりはビジネス、プライベートにかかわらず影響力が大きく、ここを強化することは避けては通れない道です。
顧客の好きなもの、嫌いなものを知り、それをもとにモノやサービスの提供をするのは当然です。
最盛店舗となるにはそこから洞察し、類推し、顧客自身が気づいていなかったような提案をおこなうことが必要です。
顧客の隠れた好みを見つけ出す、また食わず嫌い(経験してもいないのにイメージで避けている状態)を是正する。
たとえば飲食店だと、今まで嫌いだと思っていた食材を、店舗が工夫した調理方法や盛り付けなどで抵抗なく食べることができ、顧客自身の体調や健康増進に寄与する。
美容室であれば、スタイリストからの提案で、似合わないと思っていた髪型へ変えたことが高い評判となり、友人知人はもとより、就職や結婚などライフイベントに好影響を与える。
自分が知らなかった自分を知る機会を提供する。
それが周りにも好影響を与える。
こういうことができれば、顧客は間違いなく感動します。
強い信頼関係が生まれます。
そうするともう他の店舗に変えることができない強力なスイッチングコスト(今使っているものを他のものに変える際に発生する時間、労力、金銭的コスト)となります。
要は「ここじゃなきゃもうダメ!」という状態ですね。
逆に顧客が好きなものだけを勧め、嫌いなものを出さない、提案しないというのは、店舗レベルとしてはまだまだ低いと言わざるを得ません。
このやり方だといずれ顧客から飽きられます。
新しい提案は当然上手くいかないこともあります。むしろ上手くいかないほうが多いでしょう。
だからといって同じサービスを繰り返していては何も変わりません。
常に新しい価値を提案しないと、店舗の寿命はあっという間に終わります。
顧客の新たな情報を得、それを積み重ねることで店舗の強みはどんどん増していきます。
同じことをやっていても顧客の情報は以前と変わらないまま、更新されません。
現状維持お互いに楽なんですが、非常に危険な状態です。
すぐに衰退がはじまります。
顧客は何も言わずに離れていきます。
ここが怖いところです。
店舗経営者の皆さんは、十分に理解されているとは思いますが、現在つかってくれている顧客との関係性をしっかりと保つべく、信頼関係を構築し、顧客以上に顧客を知ったうえで、さまざまな提案をおこなってください。
それが店舗最盛への一番の早道なのです。
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