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技術系社長のトップセールスが陥りがちな罠

SPECIAL

波及営業コンサルタント

有限会社 日本アイ・オー・シー

代表取締役 

取引先のネームバリューで次々に新規開拓を実現する「波及営業戦略」を体系化した辣腕コンサルタント。特に技術系のメーカー企業や、特殊な加工、取り扱い品、異色サービスなどを手掛けている企業の販売戦略の再設計、大きく売れるようにする仕組みづくりに定評。

 「下請けから脱却しようと自社商品を作ってみたものの…営業が未経験なもので、なかなか上手に販売できません。」

以前、既存の営業体制の大幅見直しプロジェクトをご一緒させて頂いた社長さんからのご連絡。

詳しくお話を伺うと、技術系社長さんが陥りがちな罠にすっぽりとハマっていました。

と言うもの提案書を拝見し、社長さんのセールストークを伺うと、正直言うと技術自慢のオンパレード。

これでは、せっかくの良い提案も、相手はうんざりです。

提案営業で大切なことは、「何をどう伝えるか?」で終始しないことです。

大事なことは、「相手はどう認識するか?」に焦点を合わせるのです。

つまり、説得するのではなく、納得させることが大事。

納得しないと、契約に至らなののですから、提案営業の目的は「納得」に導くことです。

営業の経験値が少なく、交渉の訓練がされていないと、どうしても「相手を説得しよう」としてしまいがちです。

納得を導く「提案営業」の具体的なポイントは、2つ。

一つは、相手をよく調べ上げて「あなたが、当社の商品を使ったら、このような利益(メリット)を享受できるのではないでしょうか?」と問いかけてみることです。

「当社の商品を使うと、こんな利益(メリット)があります!」と押し付けるのではありません。

「当社の商品には、このような特徴がありますが、御社(あなた)が使えば、きっとこんな効果(利益やメリット)があるのではないでしょうか?」とアプローチするのです。

一見、同じように感じるかも知れませんが、買い手の認識からみると雲泥の差です。

「当社の商品はすごいぞ!」「こんな効果(利益やメリット)があるはずだ!」と声高々に言うと、多くの人は「反感」を持ちます。

もちろん、セミナーや公の文書であれば別です。

しかし、フェイスtoフェイスの商談では、極めて反感を持たれるリスクが増大します。

なので、「効果を歌うのではなく、特徴だけを伝えて、あなたが使えば…」と効果、利益、メリットは、買い手の想像から認識してもらうことが大事なのです。

そして、2つ目は、相手の想像力が乏しい場合、誘い水を用意することです。

誘い水とは、井戸のポンプから水が出ない時、水を導き出すために上から入れる呼び水のこと。

この誘い水の概念をコミュニケーションにも応用するのです。

普通、商談で商品の特徴を聞くと、効果、利益、メリットなどがぼんやりとは分かるもの…。

しかし、ぼんやりではダメで商談をスムーズに契約へと導くためには、明確に効果、利益、メリットをイメージしてもらう必要があります。

したがって、特徴を伝えた上で、この商品を購入したお客様が実際に得られた効果、利益、メリットを伝え、相手に明確なイメージを抱いてもらうのです。

これをセールスの世界では「第三者話法」と呼びます。

「この商品を使っているお客様は、このようにご評価してくださっています」

「この商品を導入した会社では、このような使い方をして、このような利益を得ています」

など、買い手の脳みそに映像が浮かび上がるくらい「ディテール(詳細)」のイメージを伝えて行く…

すると、想像力が浮かばなかった相手も、「ウチも同じようなメリットがあるかも」と導入効果を明確にイメージしてくれるようになるのです。

商品を購入する効果、利益、メリットを押し付けがましく訴えるのではなく、相手が効果、利益、メリットを想像できるように「話の展開」を考えること。

そして、効果、利益、メリットの明確なイメージを抱いてもらうために、誘い水を出すこと。

この2点をしっかりと準備していけば、提案営業の成功確率は俄然上がっていきます。

トップセールスをする社長は、是非ご自身でご準備を。

営業マンを抱えている社長は、是非営業マンに本コラムを印刷して渡してあげてください。

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