営業マンが競合になった時に意識すべき視点
先日、同行営業支援をしていた時、ある営業マンからの意見です。
「某社は長年のユーザーです。しかし、担当課長から今回の商談は3社の競合と言われました。過去ず~っと、お仕事を頂いていたのに残念です。それにどこが競合先なのか?聞いても教えてくれません」
「〇〇さん、競合先を聞いてどうするのですか?」
「そりゃ、決まっていますよ!社名が判れば、彼らがどんな動きをするのかおおよその予想がつきます。そこで相手と弊社の違い、うちのよさを担当課長に話し、継続して取引してもらえるように対抗します」
「〇〇さん、意識すべき視点が違いますね。そんな事よりも、もっと大切な事があります」
「え!なんですか、その大切な事って?」
競合先は気にしない。
それよりも、顧客の今の事業方針から、「顧客が求めている真意は何?」に注力する事です。
取引先が見直すのは当然の事です。
例えば、企業は経営トップの交代で方針が変わります。人事異動により、人間関係を最初から築かなければならないのはよくある話です。
大切な事はこういう時こそ、お互いがこれからの関係を考えるよい機会なのです。
顧客はこれからどこをめざしているのか?
弊社に何を期待されているのか?
例えば、最新情報の提供、弊社商品の新しい機能や性能、商品から期待される効果・効用の数字的根拠、それとも、新たな気づき。
これらを定期的な訪問の中でさりげなく聞きとる。
そこから新たな信頼関係が構築できるのです。
元イトーヨーカドーの鈴木敏文さんが15年くらい前の役員会でこんな話をされました。
当時はコンビニが成熟期を迎え、飽和状態になってきた頃です。
役員が他のコンビニとの差別化の話をしてしますと、
「君たちはなぜ、競合の動きばかりを見ているのだ。顧客の心理や商圏の動きをなぜ見ない!」
と激怒したそうです。
競合との差別化は重要かもしれません。
それよりも、変化する時代の中から顧客が我々に求めているものが何なのか?
どう変化しているのかを冷静に見つめ、誠意と情熱をもってご支援する。
見直しがあるのは、どこの会社でも当然です。
貴殿は、競合他社の動きよりも、変化する顧客の真意を把握する事に、注力できていますか?
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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