「チェーン経営で人時生産性向上に必要なこととは?」
「かつて、作業の時間計測をやったことがありまして、今回その意味と重要性が、わかりスッキリしました。」
先日セミナーに参加されたあるチェーンの社長の一言です。
お話をお聞きすると、かつて大手チェーンに勤めておられ、とにかく時間を測りながら作業をやれと言われ、何の説明もなくやり続けたそうです。
その後、いろいろなことがあって、断ち切れになってしまったようですが、経営者となった今、それをモノにできないか?と改革に情熱を燃やしておられるとのこと。
いきなり何の説明もなく、自分の作業時間を自分で計測し、記録につける?
しかも、今やっている仕事は時間どおりに終わらせなくてはならない。
そりゃどう考えても難しいわけで、自分の作業スピードを上げるか、何かをやめるしかないわけです。
このように、人時生産性に関わる改善ノウハウは、間違った使われ方をすることが多く、効果の出るやり方はあまり知られていません。
その証拠に、本やインターネットで調べても、書いてあるものはほとんどありませんし、簡単にできるようであれば、どのチェーンでも実践されているはずです。
いまだに、「人時=Man hourのことですよね?」と質問される経営者の方も多くいらっしゃいまして、
-------貴社のお店は男性従業員だけですか?とお聞きしますと
「え?女性もいますが・・・」
--------では 男だけではありませんよね。ですから この場で 人時=Labor hourと憶えてください。
とセミナーで、ハッキリと申し上げることも多々あります。
これぐらい人時生産性について、曖昧な情報が飛び交っていてる現状ですが、それはさておき
昨今の人口減少から、どこの企業も取扱い商品のアイテム数を拡げ、同質化するなかで、売上はどこも横ばいか減少傾向です。
そこからブレークスルーしようと、無理なやり方で低価格チラシを増やしたり、過剰にPOPをつけて、演出を目立つようにしたり、見える部分だけにこだわった手法で、多くの企業が失敗をしてます。
一方で、赤字体質の店を減らし、少ない人数で、顧客に一番最初に頭に思い浮かべてもらう店をつくり、品質の高いサービスを提供するにはどうすべきか?を目標に掲げておられるチェーンは動きが違います。
それを実現していくために、優秀な人材を増やし、高い給料が支払える仕組みづくりに動き始めることで、一馬身以上先を疾走してるといえます。
「それが出来ないから困ってる」という声が聞こえてきそうですが、
もし、貴社で、ノウハウ、資金繰り、能力ある人材が手元にあったらそれを活かして、成長をし続けることできますか?とお聞きしますと
「うーん それはどうか、、、」と語気が下がります。
これでは、改革を進めても、多くの抵抗を乗り越えられず、場合によっては、頓挫してしまうこともあります。
誰もがその必要性を感じながらも、誰も動けない状態を打破するには、利益相反する葛藤を解決し、協業ができるようにならなくてはなりません。
ドラゴンクエストというゲームをご存知ですか?行く手を阻むモンスターを倒しながら、成長し世界を悠々と旅をする壮大な冒険のゲームです。
おやりになられたことない方に簡単に要約しますと、ゲームが始まると、世界の核心ともいうべき重大な出来事を発見します。
それを救えるのは、世界であなた一人だけ。
でも恐れることなく進むことで、これまでコツコツとためてきた経験値、一生懸命に手にした武器と、苦難を乗り越えた仲間が、あなたに世界を救う力を授けてくれます。
モンスターを倒すために、たたかう、にげる、じゅもんといったコマンドをコントロールボタンで選択して戦い体力がなくなったらやられてしまう。
逆に敵を倒すことができればレベルアップして、強力な呪文が使えるようになるという戦略的なゲームの一つです。
たかがゲームと思うなかれ、企業変革も全く同じでなのです。
業務改革を行っていくということは、ノウハウをコマンドで使い分けていくことと同じなんです。
社内抵抗勢力に対して、このノウハウ用いてもどうしても動かないときは、回避の手段として「にげる、引く」を使い、場合によっては「じゅもん」を使い、心の中で耐え忍ぶといったことを試していくことで、プロジェクトを推進させるツボが掴めるようになっていきます。
そして、振り返ると、企業を誰も追従できないレベルに達成させていた、ことに気づくことになります。
ノウハウを活かすとは、いろいろな局面で葛藤を解決していきながらその技能高めていくことといえます。
言い換えますと、月に1回のプロジェクトだけではなく、社長やプロジェクトリーダーが、何回もメンバーと協議する回数を増やすことで、葛藤に対する免疫力や解決力が上がってくるのです。
改革に成功している経営者は、この葛藤を丁寧に解決し、抵抗をできるだけ少なくして前進をしていきます。
中にはすぐに結果が出ないこともあります。ですから、少しでも進んだらわかる小さな目標を設定し、お互いをたたえあい、高らかに称賛することも大切です。
その積み重ねが利益となって最終的に跳ね返ってくることとなります。
結果が変わらない場面に遭遇したときが最大のチャンスです。「これではだめだ」と必死に考え抜くことで、本当に必要ノウハウを見つけ出し活かすことが出来るからです。
貴社では、情報の知りたがり派が多いですか?それとも使い倒していく派が増えてきましたか?この比率が逆転したとき皆が感動し、一気にプロジェクトが進み始めます。
さあ、素晴らしい時はこれからです。
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