戦略よりも仕組み化よりも大切なもの
弊社では平素から「戦術よりも戦略」、「部分よりも全体」、「人に頼らず仕組みで」といったことをお伝えし、その実践をご指導しています。しかし、どんなに優れた戦略も、どんなにいい仕組みも、これがなければ動かないというものがあります。
それは、社長の熱です。
「絶対にこれをやり通す。」「ゴールを実現させる。」「必ずお客様のお役にたつ。」「社員を守る。」―――そういった想いから出る「熱」が社長になければ、社員も仕組みもまるで電源が入っていない機械のように動きません。
前回のコラムで、人に頼らず仕組みに頼ることの重要性について書きましたが、仕組みをつくり、回し、進化させていくのは人の力です。その「人」が力を出せない状態、つまり熱が低いと何もうまくいきません。
逆に冷めた社員が社内の愚痴をこぼしていても、社長が高温で燃えていれば、彼らの体温も上がっていきます。もしくはどうしても会社と想いが合わない社員は向こうから辞めてくれます。
じゃあ松岡修造のようにやるってことですか? と言われそうですが、そうではありません。「熱い」と「熱苦しい(暑苦しい)」は違うのです。
(※松岡修造の悪口を言っているわけではないです。彼はわざとあれをやってますから。)
熱苦しいというのは、熱心に自己アピールしたり、自社の良さを押しつけたり、、、つまり自分の方ばかり向いているということです。自分の想いを全面的に押し出す営業マンが売れない理由もこれです。熱いのではなく熱苦しい。押し売りと一緒です。
熱い人は実はもっとカラッとしています。なぜか?
それは自分に執着していないからです。
つまり、見ているところが自分や自社ではなく、お客様や業界の方を向いています。業界の不条理・不合理や、お客様の困りごとを解決するために、自分たちは何ができるか、どんなお役目があるか、という観点で自社のことを考えている。こういう社長の熱は自然と高まり、周りを感化します。
私が尊敬するメンターに言われたことがあります。
経営には「想い」と「熱」と「知恵」が必要だと。
この「想い」の純度を高め、自分のことではなく相手のために自分を差し出す。つまり自分を薄めていくほどに「熱」も上がっていきます。
「知恵」を活かすも殺すも「想い」と「熱」ということです。
想いと言えば、企業の発展に理念は不可欠であり、理念なき経営者に経営を担う資格はないとまでお伝えしています。しかし、社長が実際に打ち出している経営方針や社員への指示が、理念とはかけ離れていることがあります。この場合は理念や想いを社長が語れば語るほど、社員は「あほらし」と熱を下げていきます。
社長が意識レベルを高め、「顧客のため、業界のために当社は何ができるか?」との想いを深めていけば、視野が広がり、視点も上がります。社長のいいところがどんどん出てきます。こうなると社員がついてきます。
そして、自社の商品・サービスが理念や想いをダイレクトに体現するものになれば、社長に感化されて社員も燃えて、その商品・サービスを通じた顧客支援に全力で取り組むようになります。
社員が熱く燃えて、自分たちが提供する商品・サービスを磨きこんでいく。社員同士が協力して、チームとして仕組みを回していく。こうなれば御社は進化し続け、ライバルはもう追いつけなくなります。
御社は想いと熱のこもった商品・サービスを提供できていますか?
そして、それを社員が進化させていく仕組みができていますでしょうか?
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