知財を活用してビジネス化するための「三知」
今回は、弁理士及び知財活性化コンサルタントとして私が考えていることの一端を改めてお話ししようと思います。
「私は、現場の経営者のお困りごとを聴いて、解決することから知的財産の仕事に結び付けています。現場からと、この委員会での議論の両面からアプローチしたら非常にいいスキームができると思うんです」
これは、4月から委員として参画している弁理士会の委員会の会合にて、ある委員の方がおっしゃった言葉です。
その方は弁理士である一方、会社の役員もされていて経営者という側面もお持ちなので、実際に経営者がどういうことに困っているのかを肌で感じ、それを解決することで
信頼を得、知的財産の仕事もいただくという感じでした。
私も、我が意を得たりという思いでした。
約2年前から、弁理士会でも「中小企業の支援」が大きなテーマとなり、コンサルティング的なことも必要であるという認識は高まっていますが、実際には権利化業務が主体となっているのが現状です。
一方、中小企業では様々な課題が山積しています。「カネ」の問題、「ヒト」の問題、「モノ・サービス」の問題、「情報収集と分析」の問題、等々・・・
これら全てを知的財産の活用で解決できるはずがありませんし、課題が解決できない支援に対し経営者が興味を持たないのは当然のことです。
私が参画している委員会では、新たな知財ビジネスを検討することになっていますが、中小企業の現場を知らずに知的財産の活用だけを叫んでもそれは自己満足に過ぎず、「現場のお困りごと解決」というアプローチは必須であると私も思います。
また、現場のお困りごとが分かっても、それを解決する術を知らなければ、アドバイスもできません。それは常に研鑽をして身につけていかねばならないことです。
その中で、知的財産を活用して解決できる課題が浮き彫りになれば、その解決策を提案し経営者にご納得いただき、課題解決をしていただくことが重要になります。
そして、企業経営の一助になれば、それがその企業にとっても、また私のような知財活性化コンサルタントにとっても新たなビジネスへとつながっていきます。
現場を知り、課題を知り、解決策を知ること。
この「三知」を徹底することが大事ですね。
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