経営社視点の「150%アップ」有効活用法 知ってる?
「ウチの店長は凄いんですよ、今回は売上増化です。なにせ 主力A商品で150%アップですよ。準主力の2商品も140%アップです。
ありがたいですね。売上はもちろんですが、それ以上に、スタッフが、一丸のチームになってきました。
数字をあのノートに書いてもらっただけなんですけどね。数字をいやがるだろうと思ったのは、経営者の思い込みでしたね。」
売上を上げたい、経営者も店長さんも思っているのに、従業員、とくにアルバイト・パート社員には、売上の話を全くしていない、という職場が、よくあります。
飲食店・小売店など、正社員以外の従業員が多い職場でよく見られる事例です。
隠そうとしているわけではなくても、売上=お金の管理は責任者がする事と、思い込んでしまって、会話の中にも売上目標が出てこないのです。
販売のおもしろさ、お客様とのやりとりの楽しさを知らずに、忙しかった、暇だった、を繰り返して 時間を過ごすアルバイト社員を大量生産する職場ができあがります。
このお店の店長さんは、売上を上げようと、いろいろな仕掛けを考え出しています。
今回は、その一つ店頭の楽しいポップで、売上をあげました。
店長の売上アップは嬉しい、しかし 経営者の視点から考えると、一つの商品だけが売れればいいのではありません。
しかけたらA商品は1.5倍の販売数が売れた。
けれど、単品のA商品の売上だけが上がっても、全体の利益が大きく増えなければ片手落ち、給料が上がらず、社員の気持ちがしぼんでは何にもなりません。
- 主力商品の売り上げに伴って、客単価が上がる。
- お薦め商品の波及効果で、客数が増える。
- 販売個数の増加で、原価コントロールができ、粗利率が上がる。
1.と3.もしくは2.と3.、出来れば1+2+3を同時に実現するのが、経営者の目標です。
「150%アップを、もっと有効活用したい!」とおもいませんか?
当社の商品がお客様に支持されているいい商品だと社員が自信をもてます。
社員は自信があるから、お客様にお勧めできるのです。
「当社はいい商品を扱っている!」と店長さんが声を張り上げるより、「150%アップだって」と社員間で広がる口コミ数字のほうが社員の心に響きます。
もっと社員の販売心理を揺り動かすのが、モニタリングのやり方です。
モニタリングとは、「記録すること」。
販売に関わる情報を、それぞれ販売した従業員が、記録する仕組みです。
このAI時代 ポスレジで求める数字はすぐに算出でるかもしれません。
ですが、手で書き写すことが、要点です。
今までは、レジの数字を経営者と店長それに数人の正社員が見ていました。
売上総額は、常に見ていましたが、個別のお薦め商品の販売数までは集計しません。
一生懸命な店長が責任を取る体制では、数字を拾うことまで自分でしそうです。
それでは店長に負担がかかりすぎると思った経営者は、他の従業員がすぐに出来るモニタリングを導入しました。
店舗全体の売上は、レジペーパーで分かるのですが、その集計を元に従業員各人の担当客数・平均販売金額・主力3商品の販売個数、をノートに記入するのです。
記録は、1週間分をまとめて集計し、お店全体と、各人の数字が並びます。
一週間の業務時間一時間あたりの接客数も計算します。
「記録する」仕組みは、社員に共通の目標を持たせて、各人の販売スキルを、現場で販売をしながら上げる効果があるのです。
まず、記録する仕組みを導入しようとすれば、
- お店全体の売上目標が従業員全員に伝わります。
- 注目すべき商品(お薦め商品)の達成数が、全社員の共通目標になります。
- お薦め品の販売方法について、出来ている人が不得意な人に現場で教えることが出来ます。
店舗全体で利益が出なければ、自分たちの手取り=給与が増えない事を、従業員は分かっています。
出来ない人を責めて辞めさせれば、その分残った従業員の時間的負担が増えていくのも知っています。
販売の場面で人を育てる有効な方法は、出来ている人が、現場で、うまくゆく方法を直接教えることなのです。
販売は、お客様の行動を「予想」し、「言葉で関係をつくる」ことが重要です。
これは、出来る人を見習う・経験することで習得していくものです。
誰もがスーパー販売員にはなれませんが、販売の現場には「お薦め仕方」「反論への回答法」がうまい人や、販売はイマイチでも「お金の精算」「再度の来訪への呼びかけ」が着実な人もいます。
多様さが販売力を大きくします。
経営者、店長であっても、何から何まで全て教えることはできません。
モニタリングのやり方は、客観的にお客様からもらった答え=数字を自ら拾って自分で書く事で、出来ていること、教えてほしいことが、ハッキリ分かる方法です。
人は皆 誰もが、優秀で褒められたい!心のそこからそう願っています。
だから、出来ている数字はまず褒める。
出来ていないところは、出来ている人の見まねを経験してもらう。
経営者がほしい150%アップは、一品でも150%アップする商品を作るところから始まります。
一品の成功は、社員に「ウチは150%アップ」と伝わります。
社員の自信が、お客様に当社のお勧めとして伝わります。
大きな利益は、経営者も店長さんも従業員も、それぞれが責任を持つ今の数字を知るところから始まります。
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