第55号:経営理念が浸透しない会社は何が問題なのか
市場の変化の激しい現代、目的(理念)のない会社は生き残ることがとても難しくなってきています。しかし、「理念はあるが浸透しない」と悩み相談に来られる経営者の方が多くおられます。
そうした会社さんの多くは、社員さんに対する物心両面の充足を目的として理念を表現されています。つまり、なかなか理念が浸透しないのは、物心のうち、物の充足についてはわかりやすいのですが、心の充足について分かりにくいことが要因の一つです。心の充足とは具体的にどのようなことなのかを明確にしていくことが、社内に浸透するのか、浸透しないのかの大きな分かれ目になります。
結論から言いますと、仕事における心の充足は「お客様」「働く仲間」「社会」からの信頼や尊敬を集めることなのです。そのためには自社が社会のどのような問題を解決するのか(ミッション)を明確に明文化する必要があります。
ミッションとはあなたの会社の使命です。
あなたの会社が解決できる社会の問題は何なのか、を明確にする必要があるのです。
そして、その問題解決のために全社員が一丸となり、どのような商品やサービスを提供していかなければならないのかを考え、実践することでミッションの浸透が進みます。自分たちで考え行動することで、お客様から得られる「信頼」「尊敬」こそが自分たちの幸福感であることが実感できるからです。
お客様からの「信頼」や「尊敬」が集まることで、働く社員さん達に誇りが生まれ、さらに高みを目指そうという意欲が湧いてきます。そしてそれに伴い業績も上がっていくのです。
理念が浸透しないと悩む経営者の多くは、社員さんが喜ぶ理念や、周りの経営者から評価される理念をつくろうと意識が傾いてることが多いのです。
理念浸透に頭を抱える経営者の方は、自社の理念に、社会のどのような問題を解決するのかということが明文化されているのかを、今一度見直してみてください。
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