賞与に納得できない本当の理由
賞与の時期に経営者が心配するのは、社員が、「その賞与額に納得しない」と言って来ないか、または、賞与に関して質問して来ないかです。
経営者は賞与を決める仕組みを構築していないとしても、一生懸命決めています。限られた賞与原資を社員にどのように分配するか、これは経営者にとって大きな年中行事のひとつです。たとえば、社員30人の賞与を決めるために、1週間も悩みながら決めた経営者もいるくらいです。
そのため、それほどまでに経営者が一生懸命決めた賞与を、社員が納得できない本当の理由を経営者は分かりません。この理由が分からなければ、社員はその賞与に対して
感謝できないまま受け取る最悪の状況を生み出してしまいます。
たとえばAさんが30万円の賞与、Bさんが25万円の賞与、このときBさんが「なぜAさんが30万円で自分が25万円なのですか?」と聞いてくるでしょう。
このとき、本人が納得する説明ができれば、はっきりと「ありがとうございます」と言って帰っていくでしょう。
しかし、理由を聞きに来て最後まで納得できない顔をして経営者の前を立ち去ったB社員は、賞与25万円に不満を持っています。25万円の賞与が感謝されない賞与になってしまうのです。このような残念なことはあってはならないのです。
社員がこの賞与に納得できない理由は、自分の賞与を決めた根拠が明確じゃないことです。つまり、自分の賞与を決めた根拠である、評価(成長点数)に納得していないのです。
日本の多くの社員の、賞与に納得できない本当の理由は、賞与配分するときの最終評価、つまり、成長点数に納得できないことにあります。
弊社で開催している成長塾の修了メンバーの95パーセント以上が、成長支援制度を先行して運用する理由はここにあります。社員が成長点数に納得しない限りは、処遇にも納得しないのです。
逆に自分の評価、つまり、成長点数に納得した社員は、こともあろうか次の発言をするようになります。
「この成長点数で賞与を決めてもらえませんか!」
この社員からの質問のタイミングでほとんどの会社が賃金制度を導入します。
この後、この成長点数で賞与を決めた会社は、社員から一切の質問がありません。
金額の多い、少ないは社員の成長によって違いはありますが、すべての社員がそのことに納得をして嬉しそうに賞与を受け取ってもらえます。
成長点数を社員が納得する状況まで持っていくこと、これが人事制度をつくった後に賞与を決めるときの、最も重要なポイントとなります。
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