どうすれば単価下落から脱出できるか?
「主力商品の単価がずっと下がってきていて、そろそろ手を打たないと、、、」 今月20日に実施する弊社セミナーに参加申し込みいただいた、ある経営者の方の言葉です。
単価の下落を食い止めることが経営上非常に重要であることは、私がいまさら申し上げるまでもありません。ライバル企業が安値で攻めてきた、それに対抗して当社も値下げをして、、、なんてことをやっていたらもう泥沼です。利益が出なくなるまで単価は下がり続けます。
特に年商数億円~十数億円の中小企業は、大企業や中堅企業に比べてビジネス規模、つまり固定費を薄める「量」では勝てませんから、ガチンコの価格戦は絶対に避けなければなりません。
しかし、冒頭の経営者のように、実際には価格下落のトレンドに陥り、じりじりと利益率が下がってきている、もしくは値下げ要求に応じられずに売上が減ってきているとお悩みの企業は非常に多いです。
なぜ単価が下がってしまうのか。
端的に言うと、「商品やサービスそのものを、そのまま売っている」ことが原因です。つまり、他社と同様のものを同様の方法で提供しているということです。これだと容易に価格比較されてしまいます。
今やインターネットとスマホの普及で、消費者はいつでもどこでも簡単に価格を比較することができます。普通の商品を普通に提供していては苦しいのです。規模で負ける中小企業は、価格で勝とうとするのではなく、そもそも価格では比べられないように、全力で知恵を絞らねばなりません。
ではどうすれば価格比較されなくなるのか。
ひとつご紹介すると、「モノではなくストーリーを売る」アプローチ。
例えば、スターバックスは単にコーヒーや紅茶を出しているわけではなく、職場でも家でもない「サードプレイス」という空間を提供することを事業コンセプトにしていることはよくご存じと思います。
コーヒーはもちろん、立ち寄りやすい立地、インテリア、会話を邪魔しない音楽、禁煙の空間、無料wifi、やたらナイスでフレンドリーな店員、すべてが「売り物」であり、「提供価値」ということです。
売っているものはコーヒーではなく「空間」なのですから、もし人気が下火になって売上が下がってきたとしても、コーヒーを値下げして勝負することはないでしょう。それよりも、メニューを増やしたり、インテリアを変えたり、蔦屋などの多店舗とのタイアップを増やしたり、タブレットを置いたり、無料で映画を見れるようにしたり…と、空間の価値を高める施策を打つはずです。
もうひとつ例を挙げると、「でんかのヤマグチ」もモノではなくストーリーを売っている好例。家電量販店がひしめく東京・町田にて20年連続の増収増益を記録し、粗利率40%を叩き出す「町の電気屋さん」です。
困ったときにはすぐに駆け付け、花の水やりから犬の散歩までやってくれる。なかには同社の営業マンに家の合鍵を預けている家庭もあるとか。「遠くの親戚より近くのヤマグチ」というストーリーを前面に打ち出し、「(家電の)値段など気にしない」と顧客に言わしめています。
以上はB to Cの事例ですが、ストーリーを売ることによって高単価を実現する手法はB to Bでももちろん実現可能です。むしろ、そういう面にあまり目を向けてこなかったB to B の方がライバルと差別化する余地は大きいとも言えます。
たとえばよく聞く「うちはモノづくりの会社」というフレーズ。これこそ「モノ売り」の発想から抜け出ていない例と言えます。
弊社が定期実施しているセミナーでは、このストーリーを売って単価を上げる方法をはじめ、価格競争から抜け出し高収益を上げる手法をいくつもお伝えしています。
前述の「でんかのヤマグチ」の山口社長に直接お目にかかったことがあります。その時感じたことは、「社員を守るための覚悟」でした。山口社長はある日、営業マンを全員集めて、彼らの電卓の「÷」「5」「6」の3つのキーに赤マジックで色を塗らせ、「今日からどんな商品も「仕入れ値÷.65」で計算して売値を決めること。」と通達したそうです。結果、粗利率35%を達成するのに7年かかったそうですが、「あの日に「そうする」と決めたことすべて」とおっしゃっていました。
「安売りはしない。価格勝負とは違う道を行く!」とまず決めるところから始まります。決断すれば、御社が提供すべき「ストーリー」が見えてきます。御社の「何屋さん」という定義が変わります。
御社が提供する新しいストーリーづくりを弊社も全力でお手伝いします。
次は、御社の番です!
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