第54号:価格競争から脱却した会社と、価格競争に巻き込まれている会社の考え方の違い
市場の成熟化が年々加速しています。企業にとっては価格競争からの脱却が絶対条件になってきて、差別化に取り組むもののなかなかうまくいかない、と悩む経営者の方から相談が多く寄せられます。
そこでどういった取り組みをされているのか、お聞きすると、商品の差別化や販売促進の工夫に取り組んでいるが、なかなか成果が出ず困っているというパターンが多くあり、その成果とは多くの経営者さんは「売上」と考えています。
しかし、大切なことは、売上よりも「何のために差別化をするのか」、その目的にあります。確かに売上を上げることは企業にとって、とても大切なことですが、その前にすべきことがあるのです。それは真の顧客満足の追求です。
何のために差別化をするかというのは、他社では得られない『真の顧客の満足』を提供するための仕組みを追求することなのです。真の顧客満足を生み出す肝も理解できずに、いきなり売上を求めるのではなく、お客様の満足度を上げることが大切なのです。
お客様は商品の差別化やお客様の要望に答えることで満足を感じるのではなく、購買のプロセスすべての中で感じていきます。
例えば、
その会社をどのようなきっかけで知ったのか。
その会社は消費者から見てどのような印象だったのか。
その会社から自社の商品やサービスに対する愛着を感じたのか。
その会社はお客様に対してどのように貢献しようとしているのか。
お客様との接点のすべてを通して顧客の心を掴むためには、どんな仕組みや対応が大切なのか、という追求が大切です。
真の顧客満足の追求をしていく活動を継続することで、差別化につながっていくのです。
すなわち、売上げを求める前に、まず顧客満足を安定的に生み出し続ける仕組みを完成することが先です。
価格競争から脱却した会社は、その手順を理解しています。
価格競争から脱却できずに悩まれている方は、自分の経営スタイルの手順を見直してみてください。
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