店舗ビジネスで成功する人と失敗する人の違い
現在、世の中には様々なビジネスが存在していますが、飲食、サービス業をはじめとした“店舗ビジネス”で成功する人と失敗する人の違いとしては何があるでしょうか。
ここで私が考える一番の違いは、経営者をはじめ、スタッフ達が自社が提供している商品、サービスへの高い信頼を持つかどうかが挙げられます。
これは何の仕事でもいえることかもしれませんが、店舗ビジネスは特に最終消費者に対して商品、サービスを提供することから、提供する側がその商品、サービスに対して信頼をしていないと、絶対にお客様には満足をしていただけることはありません。
ここで言葉の定義づけが必要になってきます。
経営者の皆さんは「信頼」をどう意味づけられますか。
似た言葉に「信用」があります。
この「信頼」と「信用」にはどのような違いがあると思いますか?
私が定義しているのは、まず、「信用」は過去の実績に基づく現在の評価となり、「信頼」は現在から未来に向かっての期待となります。すなわち、時系列では
「信用」過去→現在(評価)
「信頼」現在→未来(期待)
で表されます。
「信用」は現状志向であり、定量化、数値化しやすい特徴を持っています。また、論理的な判断にはかかせないものです。
「信頼」は未来志向であり、定性的で感情的、人が動くモチベーションとなります。直感的なものでもあります。
これをわかりやすく例えれば、積み重ねた信用があれば金融機関などから借り入れができますよね。
ただ、その金額はその人が返済可能な額となります。
言い換えれば過去の実績が上限となります。
一方で信頼があれば今は見えていない部分に、つまりその可能性や潜在能力へと投資が呼び込めます。
感覚的に投資する人も多いですね。
過去ではなく未来への期待なので、基本的に金額は上限が設定されません。
信用と信頼のどちらがいい悪いの関係ではなく、どちらも必要なものです。
たいていの場合、信用が積み重なり、それが信頼へと進化していきます。
ということは、自社が提供する商品やサービスへの信用、つまり実績を積み重ね、信じることがまずは必要です。
これはつまりその商品やサービスに“自信がある”ということ他なりません。
しかしながら、ただそれだけでは、成功までは及びません。
信用しているだけだと、前述のように上限が決まってしまうのです。
“自信がある”状態はいいのですが、常に“過信”と隣り合わせです。現状志向がつづくと、商品、サービスに対する改善やイノベーションが生まれません。
信頼することで、すなわち期待を込めて、そこに時間、労力、お金といった投資を継続することでお客様から支持される店舗として成長、成功していくのです。
信頼の本質は、つまるところ、失敗を厭わず、投資し続けることができるかどうか、が全てです。
私は店舗ビジネスで成功するには、提供する商品やサービスに高い信頼を持つことが必要だと言いました。
自分たちが取り扱っている商品、サービスに対して、信用も信頼もしていない経営者、店長、スタッフが運営する店舗は絶対に繁盛しません。
要は、儲かりそうだから…、流行っているから…、簡単に始められそうだから…、知り合いがやっているから…、知名度が高いから…、初期費用がやすいから…、などなど挙げればキリがないほど、最初から潰れることが決まっているような状態で店舗を始める人がどれほど多いことか…
これは、3年はおろか1年ももたずに潰れていく店舗を実際に見た経験から、また山ほどある公的機関のデータからも証明されています。
その商品やサービスの表面だけしか見ておらず、自らの欲や他人の意見だけで始めた店舗ビジネスがうまくいくはずもなく、当然ですが、ことごとく潰れていきます。
そもそも、商品やサービスへの信用は新規オープン時点でもあるはずです。
あって当たり前のものです。
でなければ、怖くてオープンできないでしょう。
商品やサービスの開発段階から、自分が一番良く知っており、信用を置いているはずです。
ある程度の勝算があるからこそ、お店を立ち上げますよね。
その信用を積み重ね、信頼へとつなげていくことが肝要なのです。
どうやったら、商品、サービスに対する信用が信頼に変わっていくのか。
これは残念ながら自然には変わりません。
まずは常に未来志向でいることです。
過去のデータばかりでは、いずれ落とし込みます。
(データの分析も必要ではありますが。)
人はともすれば現状維持志向になりがちです。
絶えずお客様の声を聞き、新しい情報を取り入れ、商品、サービスの可能性を広げることに力を入れる。過去の栄光に縋りつかない。
成功体験は、場合によっては最悪の事態を招きます。
特にここで言いたいのは、経営者の仕事は現在のことに注力するのではなく、未来をつくっていくことです。
過去を参考にするのは結構ですが、常に先を見て行動してください。
- 自分が信用していない商品、サービスはお客様も信用しない。
- 自分が信頼していない商品、サービスはお客様も信頼しない。
これは真実であり、誰にも変えることはできません。
あなたは自社の商品、サービスに対して、高い信頼をもっていますか?
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