商談だけではもったいない、商品開発視点での展示会の活用ポイントとは?
先週、東京で開催された ものづくり系の展示会に行ってきました。
出展社も来場者もとても多く、大変な賑わいでした。主催者の発表では、出展社は2,420社とのこと。日本のものづくり離れが言われている中で、ものづくりのビジネスとしての集客力の高さに改めて驚かされました。
今週は、この展示会の活用法について書いてみたいと思います。
出展社が展示会に出展する目的、来場者が展示会を訪れる目的は何でしょうか?
もちろん第1の目的は、商談です。
特に、出展社の目的はこれが一番でしょう。自分達のやっていること、やれること、商品、サービス、技術を知ってもらって、商談に結び付ける。その場で商談に至れば100点満点。商談に至らなくても、知ってもらって一定の割合で後に商談に結び付けられれば合格点といったところでしょうか。
来場者側は、その場に欲しいものがあれば商談するし、気になるものは情報収集してストックしておく。これが、一般的な展示会の使い道だと思います。
ただ、これだけで展示会を終わらせてはもったいない。展示会は、既存商品の商談の場としてだけではなく、次の商品やサービスを考える上で、貴重な情報収集の場としても使えます。
どんな人が来場者(お客さん)なのか?
来場者は、どんな商品、どんな技術に感心があるのか?
出展社(ライバル)は、どんな会社か?
ライバルの出展内容、アピールポイントは何か?
など、次の商品の開発のヒントとなる貴重な情報が得られます。
ただ、ここで注意しなければならないのは、あくまで今の展示会から得られるのは、今の情報であること。次の商品を考える上で必要な未来の情報は含まれていません。
上手く聞き出せば、他社の開発中の情報は得られるかもしれませんが、そこから動いても後手に回ります。決して先んじることはできません。
では、展示会を未来予測に活用するにはどうすれば良いでしょうか?
そのポイントは、「定点観察すること」です。
毎年、数年置きなど定期的に展示会に参加し観察を続けていると、前々回、前回、今回と、お客さんやライバルの変化が見えてきます。変化を大きな流れとしてつかむことができます。流れをつかむと、その延長線上に未来を描くことができるようになります。
そして、最も価値の高い情報は、この大きな流れをつかんだ、その先に得ることができるようになります。
展示会での最も価値の高い情報は、「従来の流れと異なる動き」です。
大きな流れをつかんでおくと、この異なる動きが見えてくるようになります。
つかんでおかないと、目の前に異なる動きがあっても、それと気づくことができません。
成功した経営者の中に、世の中の微妙な変化に敏感に気づき、先を読んで手を打つ方がいらっしゃいます。
よく「勘が働いた」とか言われますが、こういう方は、展示会なり、街中なり、どこかしらで定点観察をされている方です。
定点観察をされているからこそ、従来とは異なる流れの変化に気づくことができるのです。
そして、この流れの変化は、大きなビジネスチャンスとなることが多い。
展示会は、このチャンスをつかめる貴重な場です。
利用しない手はありません。
是非、そういう視点で、展示会を定点観察してみてください。
あなたは、展示会に一回行っただけで知った気になっていませんか?
目の前に展示されている従来とは異なる変化、ビジネスチャンスを見逃してはいませんか?
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