多くの失敗を重ねても、40年近く黒字経営を続けている理由とは?
創業以来37年連続で黒字経営を継続中。
そんな会社の経営者からお話を聞いたところ、
- いったん分社化したけれど、赤字になってまた統合した
- 海外で現地法人を作ったけれど、その国の政権交代に伴い、その会社がいったん閉鎖に追い込まれた
- バブル期に銀行からお金を借りて本社ビルを建設したが、バブル崩壊に伴い、資産価値が5分の1になった
- デリバティブ取引で失敗して、億単位の損失が発生した
- 仕入を社員に任せていたら、在庫の山となっていた
- 社員に確認すると、指示した内容と真逆のことをやっていた
など、いろいろな失敗談が盛りだくさんでした。
特に銀行借入やデリバティブ取引での失敗は金額もかなり大きかったので、会社によっては倒産に追い込まれていたかもしれません。けれども、この会社は40年近く事業を続けておられ、しかも、ずっと黒字を維持しておられます。
その理由はとにもかくにも本業が儲かっているということにつきます。具体的な利益率の数字までは出なかったのですが、利益率は相当高いのではないかと思われます。そして、本業でしっかりと利益を確保できている理由の一つが価格の主導権を握っていることにあります。
まだ、創業間もない頃、自分たちが出向いて売りに行くと、やはり買い叩かれることが多かったそうです。そこで、小さいながらもショールームを作り、欲しい人が買いに来る仕組みを作りました。
そして、経営者が先頭に立ってセールスした時は商品を仕入れる際に「これならあの人が欲しがるはず」と、商品を買ってくれるお客様の顔が具体的に浮かんでいました。
会社のマネジメントに正解はなく、時代の変化につれて、マネジメントのたいへんさはだんだん増してきています。しかし、事業を長く続けていくという観点からすると、利益がしっかり出るものをちゃんと売っていくというシンプルな原則に行き着きます。
その商品の利益はしっかり確保できているのか。その商品は実際に売れるものなのか。
難しい経営理論を学んだり、最新の販売ツールに目を奪われたりする前に、この原則に則っているかどうかをチェックしてみましょう。案外、売値は高いけれど、利益はほとんどなかったり、性能は良いけれど、売れるかどうかは未知数だったりということがあります。
キャッシュフロー経営も突き詰めていくと、利益がしっかり出るものをちゃんと売っていくという原理原則が根底にあります。まずはベースがあってこその事業継続です。
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