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自らに対して客観的視点を持ちうるのか?―素人の目線に立てるか?が、経営者の力量―  

SPECIAL

地方メディアの高度有効活用コンサルタント

株式会社メディアコネクション

代表取締役 

広告分野における地方メディアの高度有効活用を専門とするコンサルタント。東京在住中のマーケティングビジネス経営の経験と地方企業への経営革新支援ノウハウの融合させた、独自の「儲かるための広告戦略」を開発。自らも成功実践事例として、地方メディアを舞台に展開。

私はこれまで、

「自分の行なってきた事業をいろいろな形(文章、言葉、映像など)で表現し、それを外に向かって情報発信すれば、そのまま販売促進として機能しますよ。」

といった意味のことを繰り返し述べてきました。

それでは、自分で行なってきた事業を文章や言葉で表現するにはどうすればいいでしょう。それには、自らの事業を俯瞰して見る、客観的に見直してみるという作業が必要になってきます。

事業のトップというのは、自分のやって来た専門分野にのめり込んでいるために、普通自らの仕事を客観的に見るという習慣がありません。自分のやっている専門性や日々の仕事が、他者の目にどう写るかということなど普段考えてみたこともないでしょう。

ところが、他者から見れば専門職の持つ不思議な世界というものはいくらでもあります。例えば私は、比較的マーケティングを得意分野としていますが、素人である経営者に向かっていきなり、その専門的な内容を次のような表現で説明したらどうでしょう。

「製造過程におけるコストは、顧客が製品に価値を認めるかどうかとは無関係な要素であり、むしろ、価格は、顧客の需要や競合製品との相対的な関係から見た製品品質との関係から戦略的に決定する必要があります・・・」

といった言葉使いでまくしたてたならば、相手は目を白黒させるばかりか、下手をすれば強い拒絶反応を見せるかも知れません。

つまり、専門分野というのは自分ではわかっていても、一般の人にもそのまま通じるか、といえばそうはいかない世界でもあるのです。長年取り組んできた自らの専門分野というのは、これまでも述べてきましたように、上手に伝えればその世界を知らなかった一般の人にとって非常に興味深い対象でもあります。

但し、その面白さを伝えるには多少わかりやすく変換する必要があるのです。専門性をそのままぶっつけたのでは、素人には何のことやらチンプンカンプンという事態も考えられるからです。

とはいえ、長年その世界にどっぷりと浸かってきた当人には、どこまでが専門的でどこからがそうではない世界なのか、その境界線が判然としません。そんなとき、先述しましたように、自らを俯瞰して見てみる、客観的に見た場合どうだろう?と考えてみる、という癖をつけてみたらどうか、と提案したいのです。

そう難しい話をしているのではありません。自分と反対側、つまり顧客の側に立ったならばどうなるだろう?と想像してみるのです。例えば先ほどサンプルとして提示した小難しい文章は、価格(値段)を決めるときの考え方を述べたものです。

「現代は、価格というのは、原価や経費がいくらいくらかかったからといった条件で決めるものではなく、顧客側の事情や競合製品の動向を配慮して決定しなければならない。」

といった意味のことを述べているのですが、表現がいかにも固いので、あのまままくし立てられたら、おそらく何を言っているのか理解不可能でしょう。

内容はあくまでも専門的に、しかしその表現はできるだけ分かりやすく、というのが、情報発信をする際のコツのようなものです。

そのためには、絶えず

「俺の話は素人にもわかるだろうか?」

といった、自分を客観的に見る癖をつけておいてはどうでしょうか、というのが私の提案です。

 

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