セールスの技術よりも大事なこと
小売、飲食、サービスといった店舗ビジネスでは、お客様が実際にご来店されてからモノ、サービスを購入、利用し、帰られるまでの店舗体験はやはり非常に重要なものとなります。
店舗が行う様々な情報発信でその店のことを知り、ご来店をされるわけですが、上手く集客できたとしても実際の店舗体験で満足できないと、来店されなくなるばかりでなく、ネットや口コミによる拡散により多大な負の影響を受けることがあります。
要は、お客様の期待値と実際のサービスにギャップが生じており、そのギャップが大きくなることで不満やクレームへとつながっていくのです。
ギャップには様々なものがあり、具体的には、
モノでいうと
商品が思っていたのよりも小さい、
色が全く違う、いつも売り切れている、
作り方が雑である…
サービスでいうと
技術が未熟である、時間がかかりすぎる、
接客態度が悪い、
商品知識がない…
などなど…
ただ、すべてを完璧にしてお客様の期待値以上にしていくことはかなり困難です。
だからこそ提供するモノやサービスを絞り込む必要があります。
また、そのモノやサービスを提供するヒトの存在も重要です。
基本的には店舗ビジネスでは、人が人に対してモノやサービスを提供します。
人間は機械ではないので、その人ごとに様々な性格や特徴があり、誰一人同じ人はいません。
したがって人によってその考え方や技術レベルが違うのは避けられないこととなります。
その差を埋めるのは社員教育や訓練となるのですが、いきなり具体的な方法を教え込んだとしても上辺だけの理解にとどまり、お客様の満足を得られるようなサービスはできません。
やはり店舗ビジネスを行う上でのマインド(仕事に対する考え方や姿勢、心の在り方)をしっかりと浸透させることが肝要です。
マインドのなかでは、これは店舗ビジネスだけに限らないことですが、“利他主義”を持つことが非常に重要です。
聖人君子みたいになれ、ということではなく、自分中心の利己的な考え方を少しは減らして自分以外の人たちのために考え動く時間をつくる、ということです。
特に店舗ビジネスではお客様のことを第一に考え、何をしてほしいのか、を知るために常に観察、洞察する必要があります。
そうでないと絶対に良いサービスはできませんし、ただ単にマニュアルをなぞった形だけのサービスはそれこそクレームのもとにしかなりません。
それとは逆に、仕事に慣れていない新人でも、利他主義をもって一生懸命にお客様に対してサービスを行った場合は、技術自体はまだまだ拙いにしても、お客様にはその思いがしっかりと伝わり、満足度は上がることが多いのです。
よって店舗の人財に対しては、まずそのマインドをしっかりと伝え、浸透させ、そこから技術的な部分を教育訓練することが最も重要であり、店舗経営者、店長が自ら必ずやるべき仕事です。
時間はかかりますが、必ず成果につながります。
このことを忘れないように、日々の仕事に取り組んでいきましょう。
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