なぜ強い財務の会社は、BSを重視するのか?
多くの社長にとって、PL(損益計算書)は、足し算と引き算だけですから非常にシンプルですし、あくまでも1年間の業績が反映されたものですから、記憶に新しいものです。そんなこともあって、大抵の質問に関してはそれなりに答えられるものです。
しかし、BS(貸借対照表)に関しては、そう簡単にはいきません。
当社でも、実際に実務の現場で社長さん方にBS(貸借対照表)のことを伺うと、
「それは、先代社長に聞いてみないとわからないです・・・」
「経理担当者の人が、たぶん知っていると思うんですけど・・・」
「顧問税理士に聞いてみたらわかると思います・・・」
といった答えがよくかえってきます。そして、それと同時に、「そんなものがあるなんて、初めて知りました!」「これは今後どうしたらいいのでしょうか?」といったコトバが後に続くのです。
つまり、自社の現状を把握しておらず、そして、これからどのような経営判断を下していったらいいのかがわからない・・・ということの表れでもあります。私の知る限り、99%の社長は、BS(貸借対照表)を見ないで経営をしているものなので、このようなことはよくあることです。
しかし、将来に向かって「儲かって潰れない会社づくりがしたい!」「利益を出してお金が残る強い財務にしたい!」と願うのであれば、決してこの状況を看過してはなりません。「もし、自分の会社のBS(貸借対照表)を知らないまま経営の舵取りをしていたら、5年後10年後の会社の未来はどうなってしまうのか?」という視点を持たなければならないのです。
社長が自社のBS(貸借対照表)を見なければ、誰も、BS(貸借対照表)を見ていないということになってしまいます。経営を良くすることは、BS(貸借対照表)を良くすることに相通じていますから、自社のBS(貸借対照表)を社長自身が磨き上げようという意識のない会社は決して経営が良くなるということはないということに気が付かなければならないのです。
自分の会社のBS(貸借対照表)を把握していないということは、自分の会社が自分以外の第三者からどのように判断されているかを知りません。
BS(貸借対照表)は、過去からの歴史の積み重ねである一方、社長自身が意図して創り上げていくという発想を持つことこそが最も重要なのです。大切なことは、社長自身が自分の会社のBS(貸借対照表)の現状を本当の意味で正しく理解し、その上で「将来に向かって、どのような経営判断を下していくのか?」ということを社長自らが考え、決断することにあるのです。
ダイヤモンド財務®コンサルタント
舘野 愛
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