変化の激しい小間割りマーケットにおける営業体制のあり方
変化の激しい小間割りマーケットのあるべき営業体制のあり方は、分業体制をなくすことです。
プル・プッシュ戦略を駆使して見込み役を集客する「販売促進企画」
商談を担当し、契約書にハンコをもらう「営業」
そして、アフターフォローを担当する「営業メンテナンス」
さらに営業現場の声を拾い、マーケティング・プランをつくる「企画」
これらを分業することは、かえって生産性を落とす事になります。
なぜなら、変化の激しい小間割りマーケットでは、顧客の変化に機敏に対応し、競合企業を出し抜く必要があるからです。
実際、競争環境がどの程度激しくなっているのか…データを見れば一発でわかります。
高度成長中期の日本の法人数は、およそ70万社でした。ところが、2014年の統計では385万社と、5.5倍も企業数は増えています。
人口は9800人前後から1億3千万人弱と1.3倍程度の増です。
単純に考えると、4倍強「競争が激しくなっている…」と見ることが出来るわけです。
競争がゆるやかな時代には「いま何が起きているのか」を把握することが比較的簡単ですが、競争が厳しくなればなるほど、「いま何が起きているのか」を正しく摑むことが難しくなります。
競争が入り乱れているときは、今何が起きていて、今何を成すべきかを迅速に掌握、判断、行動することが求められます。
つまり「全体像」を把握できる能力が、求められるわけです。
分業体制は、この「全体像」を見る力を徹底的に削ぎ落とします。
ここでいう全体像とは、顧客が商品を認知し、興味関心を頂き、購買し、満足する一連のプロセスです。
一言でいうと「商売」です。
一人一人の視野が狭くなった状態で、何人束ねても「広い視野」にはなりません。
つまり、絶対的な司令塔がいないと、顧客を理解し「今の手」「次の手」を打つ事ができないわけです。
もちろん、一人一人に広い視野を求めるのではありません。
組織ですから、広い視点で見ようとしている人が増えれば、それを束ねることで「広い視野」を得ることが出来ます。
組織の壁を取っ払うことは出来ませんが、壁を浸食し合う「組織体制」をつくることは出来るはずです。
現に、そのような組織は活発な議論の上に、秀逸な販売戦略をくみ上げ、好業績をあげています。
日本人は活発な議論を嫌う傾向にありますが、議論を深めることで新しい発見や本質が見えてくるもの現実。
嫌がっていては、一向に前に進みません。
分業をし、仕事が習得しやすくなることで、社員はそれに甘んじ「ぬるま湯」から出てこようとしなくなります。
これからの日本は、過去の延長線上で生きられるほど甘くはない時代の断絶が来る可能性がめちゃくちゃ高くなってきています。
そのとき、社員を「茹でカエル」にしないためにも…
いまから分業体制を見なす事が重要なのでは…と藤冨は強い危機意識を抱きながら懸念しているのです。
御社は、それでも分業体制に見直しをかけませんか?
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