売上至上主義の社長が陥る落とし穴
会社経営を良くするための企業努力として、「売上を増やすために営業を強化する」とか、「人材を育てるために教育に力を入れる」ということは、たいへん重要なことです。もちろんこれらの企業努力を怠っていたのでは、会社の成長は、当然、望めません。だからこそ、どの経営者であっても「いかに売上を増やすか」とか「いかに強い組織づくりをするか」ということに日々頭を悩ませているものです。
しかし、ここに、「多くの社長が間違ってしまう落とし穴」が潜んでいるのです。
そして、この落とし穴は、社長自らが陥ってしまうと会社の存亡を左右する一大事に発展しかねない重要な問題をはらんでいるということに気が付かなければなりません。では、それは、どういったものでしょうか?
具体的には、「売上を増やしたり、人を育てること」イコール「事業の永続」「潰れない会社」・・・と勘違いしてしまうのです。つまり、多くの社長は、「売上が増えれば、潰れない会社になる」と考えてしまうのです。しかし、これは、間違いなのです。
これまで私がお会いしてきた8割以上の経営者や、一般的な税理士や会計士などの職業会計人は、「売上が増えれば増えるほど、経営が安定してくるだろうから、潰れない会社になるはずだ。」と考えます。つまり、「売上を増やす能力」さえあれば、潰れない会社になるはずだ・・・と勘違いしてしまうのです。
まず、社長が絶対的に知っておかなければならないこと、それは、会社が潰れるのは、売上が減った時でもなければ、赤字決算になった時でもないということです。つまり、会社が本当に潰れるのは、あくまでも「お金がなくなった時」であるという事実を、正しく認識しておかなければならないのです。
つまり、「事業を永続させたい!」「潰れない会社づくりがしたい!」と真に願うのであれば、社長自身が、事業永続のキーポイントとなる「お金を残す能力」を本当の意味で身につけなければならないのです。
会社にしっかりお金が残り続ければ、会社は潰れません。
会社に資金が潤沢にあれば、必要な時に必要なだけ事業投資ができます。
必要な時に必要なだけ事業投資ができれば、本当の意味で会社の未来が拓けるのです。
ダイヤモンド財務®コンサルタント
舘野 愛
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