メンタルヘルスの知識を社員がイキイキ働く職場環境に生かす具体策
メンタルヘルス研修には、一人ひとりの従業員が、ストレスに対する正しい知識やストレスを感じた時の対処法について学ぶ「セルフケア研修」と、部下のメンタルヘルスに早く気づき、声をかけ、対処する方法を学ぶ、管理職を対象とした「ランケア研修」があります。
これらの内容は、経営者をはじめとする経営陣も、一度でも良いので学んでおくことを強くお勧めします。というのも、精神疾患への誤解などが根強くあり、正しい情報を知る機会が限られているからです。カウンセリングについても、当事者にならないと理解されにくいのか、世間の誤解には驚かされることが多々あります。
さて、これらの研修では知識を得てもらうだけではなく、グループワークやディスカッション、ロールプレイなどを行いながら、日常に生かせる「スキル」も習得してもらいます。
ですが、最近耳にするのが、「研修をしっかり行っているのだが、どうも社内に根付いていない。」という経営者や人事責任者の本音と嘆きです。
というのも、まず、職場自体がメンタルヘルスに関してオープンに話せる雰囲気ではないのです。つまり、メンタルヘルスに関する話題はネガティブなものと捉えられているので、学んだスキルを職場で実践したり、自らストレス対処のために行動すること自体がなかなか認められていないのです。
また、これが最も大きな理由とも考えられますが、学んだ知識やスキルを、残念ながら忘れてしまうということです。有名な「エビングハウスの忘却曲線」によると、学んだことは、20分後に42%、1時間後に56%、1日たつと、なんと74%が忘れてしまうのですから仕方ありません。
では、具体的にどうしたらよいのか。
学んだことを忘れる前に実践すれば良いのです。シンプルなことです。
職場環境改善に活かすならば、例えば、メンタルヘルスの研修で一人ひとりが学んで考えたこと、あるいは実践していることで上手くいったことをオープンに話し合える機会を作ること。それらの情報を共有するだけではなく、実際に朝礼や課会などで実践してみることも良いでしょう。そして継続することです。
また、メンタルヘルス予防が出来ている職場というのは、社内のコミュニケーションが活発で、互いに協力しあうサポートし合う風土が出来ているものです。つまり取り掛かりとして、日頃から社員同士が交流しあい助け合えるよう、イベントなどを導入し、仕組みとして実践していけばよいのです。
メンタルヘルス研修で学んだことを、職場環境改善へ生かす方法や手順を理解していないと、たとえ毎年定期的にメンタルヘルスの研修を行ったとしても、本当の意味で「予防」に結びつけるのは難しいのです。せっかく研修を取り入れているのならば、その知識とスキルが社員、社内に根付くような仕組みづくり、仕掛けづくりをぜひ行ってください。
さて、御社ではメンタルヘルス研修導入の成果が表れていますか?
社員が学んだ知識やスキルが実践で生かすことができる職場環境になっていますか?
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