第50号:9割の人は知らない、繁盛店のサービスと衰退するお店のサービスの基準
中小企業には厳しい経営状況が続き、ますます企業格差が広がっています。業績の低下が止まらないお店がある一方、業績をドンドン伸ばしているお店も少なからず存在します。何が違うでしょうか?
業界が成熟するとともに、商品自体の差が少なくなってきています。例えば、飲食店で言えば、どこのお店もおいしい料理を提供していて、今やマズイお店を探す方が難しいぐらいです。
そうなると、消費者にしてみれば店舗の雰囲気や接客サービスなどの品質で比較するしかないわけです。店側からいえば、お店の雰囲気づくりや接客といったサービスが、固定客づくりの要になってくるのです。
すなわち、固定客を増やして行くためには、サービスの品質基準を持つことが求められます。
もちろん、皆さんのお店でもお客様満足のためにスタッフ教育には力を入れていると思います。サービスの品質向上にも取り組んでおられることでしょう。
しかし、実はそこで9割のお店がやってはいけない過ちを犯してしまっています。
それは、顧客満足のために、サービスが複雑になったり、商品数を増やしたりしていることです。
9割のお店は、お店の暇な日ばかりに目がいきます。そして、暇な日にしかできないことや一部のスタッフしかできないサービスを提供しようと取り組むわけです。しかし、そのサービスレベルを忙しい日に提供できるのでしょうか。現実的には実現不可能なサービスをしようと考えてしまっているのです。
そして、サービスにムラができ、良質な固定客を失っていくのです。できないサービスになってしまうことに注意をしなければいけません。
安定客を育成するためには、サービスの品質の安定が最も重要です。そのためには、忙しい時でも、誰でもできるサービスの品質を基準に設定しなければいけないのです。
業績が悪くなる会社は、暇な時にしかできないサービスや、一部のスタッフにしかできないサービスを提供しようとして、その品質を守らせようと気づかないうちにハードルをあげてしまっています。
しかし、例えば、スターバックスが店舗によってサービスが違ったり、忙しい時と暇な時でサービスにムラがあったら、どうでしょうか。常連さんほど、敏感にムラを感じ取るのではないでしょうか。
大切なのは、忙しい日のサービスの品質です。お客様がたくさん来店している忙しい時こそ、安定した品質のサービスを提供することが大切です。
すなわち、忙しい日に実現可能なサービスの品質を基準にするのです。ターゲットを絞込み、サービスを単純化したりすることで、忙しい時であっても誰でもできる品質を維持することが可能になります。
お店のこだわりやサービスなどは、ツールを活用して消費者に伝えるなどして、なるべく人に依存しないようにしましょう。
繁盛するお店ほどサービスが単純化され、誰が行っても均一なレベルのサービスを維持することを大切にしています。
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