開発型企業を目指す社長が知っておくべき「技術者にとっての不都合な真実」とは?
「どうしたら中小企業が開発型企業になれるのか?」について、重要な3つのポイントを3週に渡ってお届けしています。
先週は、最初のポイント「商品開発力 = 企画力 × 実現力(技術開発力)」についてお話ししました。
今週は、この式からだけでは読み解けない、開発型企業になるための2つ目のポイント、開発型企業を目指す社長が知っておくべき「技術者にとっての不都合な真実」についてお話しします。
その前に、上の式から読み解ける大事なポイントについてもう少し考えてみたいと思います。
上の式に表現されている大事なポイントは何でしょうか?
それは、上の式が企画と技術開発の「かけ算」になっており、そのため、「企画=0」では、「商品開発=0」になってしまうという点です。
これを文章で表現すると、企画をしない商品開発は、商品開発にならないということです。これは、この式の最も重要なポイントです。
もう少しはっきり言うと、「企画無き商品開発は、暴挙」なのです。
そんなの当たり前だ、とおっしゃる方が多いかもしれませんが、私は、企画をせずに開発を進めてしまう中小企業の方を たくさん見てきました。
考える前に行動してしまい、技術開発がある程度進んだ所で使い道が見つからずに行き詰ってしまうケースが非常に多いのです。
運よく途中で軌道修正ができれば良いのですが、多くの場合、大幅な修正が出来ずに、開発した技術をズルズル引きずりながら用途を探して苦しみ続けてしまいます。
「企画無き開発は、暴挙」
開発型企業を目指して開発に取り組むとき、これを絶対に肝に銘じておいて下さい。
さて、ここまで「商品開発力 = 企画力 × 開発力」の式から、企画=0 は暴挙というお話しをしました。
では、開発=0ではどうなるでしょうか?
商品開発になるわけがない。当たり前ですよね?
ところが、必ずしもそうならないというのが商品開発の落とし穴です。私が長年開発する中で、行き着いた事実があります。
それは・・・
「優れた企画は、開発を不要にする」
という事実です。
完全にゼロか、と言われると誤解があるかもしれませんが、少なくとも通常の開発の感覚からすると、ほとんどゼロのようなものになります。ピンとこないかもしれませんが、これは紛れもない事実です。
それほどに、企画の力は強力です。
この事実は、技術開発を生業にしている技術者や、技術を拠り所にしている企業にとっては、たいへん不都合な真実です。開発型企業を目指す社長は、このことを良く理解しておく必要があります。ここを意識せずに商品開発を技術者に任せると、多くの場合、技術者は、企画無き開発を進める暴挙に走ります。その方が技術者にとって都合が良いからです。
社長、あなたは、開発を技術者任せにせずに、しっかり企画をしていますか?
まず、企画する、それが開発型企業になるための第一歩です。
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
ここまで読んで、よし企画だな。ならば、マーケティングを外部にお願いして新しい市場を探すぞ!!と思われた方。
あるいは、マーケティングなんかできないし、我が社には無理、と意気消沈してしまった技術系の企業の方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、ちょっと待ってください。
この話しには、続きがあります。
次週、最も重要な3つ目のポイントについて話しますので、少しだけお待ちください。
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