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AIは営業マンの代替機能を果たすのかになるのか?

SPECIAL

波及営業コンサルタント

有限会社 日本アイ・オー・シー

代表取締役 

取引先のネームバリューで次々に新規開拓を実現する「波及営業戦略」を体系化した辣腕コンサルタント。特に技術系のメーカー企業や、特殊な加工、取り扱い品、異色サービスなどを手掛けている企業の販売戦略の再設計、大きく売れるようにする仕組みづくりに定評。

藤冨さんは、「AI(人工知能)」が、BtoCビジネスでは営業マンとして機能する可能性は高いが、BtoBは、難しいのでは? との見解をお持ちですが、その理由を詳しく聞かせてもらえませんか?」

先日行われたセミナーで、AIについてちょっと触れたところ、どうしても気になったのでしょう。事後相談のときにも、改めてご質問されてきました。

大好物のテーマなので、深く振り下げてお伝えしました。

私は、全てが全てAIに取って代わるということはないと感じています。

もちろん、50年先はわかりません。

が、少なくてもこの10年は変わらないと推測しています。

というのも、AIというのは、自らが学習する機能を持ち合わせていますが、そのためには、大量のデータが必要となります。

これまでのコンピュータというのは、質問と答えをセットで記憶させることが限界でしたが、AIというのは、「間違っているかもしれない」というデータと「正解」のデータを大量に記憶させることで「推測」する機能も持っています。

大量のデータ無くして、精度の高い予測や計算、学習機能の蓄積は不可能なのです。

なので、BtoBにおいては、消耗品や定期的に同じようなものを購入する商品であれば、AIが営業マンの代替になる可能性は大です。

しかし、BtoBにおいては、この確率は低いと藤冨は捉えています。

その理由は2つ。

1つ目は、BtoCや、BtoBでも消耗品のような商品は、先ほど申し上げたように、人工知能が学習する分母となるデータが蓄積されにくい点にあります。

ビックデータを学習すればするほど賢くなる性質を持つAIにおいて、データの弱小性は偏ったアウトプットにつながるため、使い物にならない可能性が大だと捉えているのがその理由です。

2つ目は、営業現場をつぶさに読み取ればわかることですが…

BtoBにおいては、意思決定が複雑かつブラックボックス化しています。

社内の力関係や、社長のその時の気分、意思決定の関与メンバーなど、購買行動のパターンを読み取るのが難解で、ブラックボックス状態です。

ブラックボックス化された意思決定であるがゆえに、購買決定や否決と何が因果関係にあったのかを学習できません。

営業マンでも、ほとんどが「勘」と「憶測」によって「受注・失注要因」を判断しているはずです。

概念の獲得は、AIの苦手分野です。

客観データの収集ができない限りは、AIBtoBの営業現場で活躍する確率は極めて低いと感じています。

(営業マネージャーの意思決定は別です。詳細は「第197話 人工知能は、営業トレーナーを不要にする?」をご覧ください)

従って、BtoBの事業モデルにおいては、AIによる営業の代替可能性は極めて低いので、別な生産性向上策を講じることが大事です。

しかし…様々な業種・規模の企業の営業現場を拝見させて頂く機会が多いのですが、自社の営業活動の強化すべき点やムダを省いていくポイントを正確に摑もうとしている会社はそう多くありません。

営業現場で何が起きているのか?

これも正確に摑んでいる会社は、そう多くありません。

ということは、自社の売上があがる瞬間から営業プロセスを分解していき、「何が起きているのか?」「何を強化し、何を諦めるのか?」のポイントを正しく摑み、対策をとれば、ライバルに勝つ事ができます。

AIなどの技術革新に対するアンテナは立てておく必要はありますが、それと同じくらい自社の仕組みを観察・分析することが大事です。

御社では、環境を見る「外の目」と、自社の内部を洞察する「内の目」の双方を大事にしていますでしょうか?

 

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