会社を窮地に陥れる社長の勘違いとは?
当社では、「同族会社の社長専門」ということにこだわってコンサルティングを行っていますが、その理由の一つとして、同族会社には、一般には知られていない「根の深い問題」が数多く存在していることが挙げられます。そして、ほとんどの場合、社長自身が、その「根の深い問題」に気が付いていないものなのです。
例えば、「自分の会社は、○○について問題がありそうだ」という風に、予め課題を認識して事前に対処をしておけば、比較的少ない労力で問題の芽を摘んでおくことができますし、最低限のレベルとして、現状より悪化することはくい止められるはずです。しかし、そもそも大前提として、社長自身が、「自社のどこに問題があるのかわからない・・・」ということであれば、当然ですが、何ら手の施しようがありません。
したがって、「自分の会社のどこに問題があるのかわからない・・・」という状態が最もキケンな状態だということに、まずは社長自身がイチ早く気が付かなければならないのです。さらに、もっといえば、「自分の会社のどこに問題があるのかわからない・・・」と悩まれている社長の多くは、このような勘違いをしています。
具体的には、
「ウチの会社のお金のことは、経理担当者に任せておけば大丈夫・・・」
「顧問税理士が、ウチの会社のことは全部知っているはず・・・」
「売上さえ増えていれば、お金も増えて潰れない会社になるはずだ・・・」
と考えてしまいます。しかし、これらはすべて間違いです。
そもそもの大前提として、会計は、「過去」を確認するためにあるものです。既に起きたお金の流れに沿って、日々の取引の記録をし、決算書を作成するのが経理の仕事です。さらに、出来上がった決算書をもとに、税金計算をして申告書を作成するのが税理士の仕事です。
それに対して、財務は、会社の「未来」を創るためにあるものです。具体的には、「これから動かすお金をどうしようか?」「どうやってお金を増やしていこうか?」を考えていくのが財務の仕事です。
ここで最も重要なことは、社長自らが財務中心の会社づくりができるようになってはじめて、「儲かって潰れない」「利益を出してお金が残る」強い財務体質の会社づくりができるようになるということです。会社の未来を創るのは、あくまでもほかならむ社長だけの仕事なのです。
ダイヤモンド財務®コンサルタント
舘野 愛
コラムの更新をお知らせします!
コラムはいかがでしたか? 下記よりメールアドレスをご登録いただくと、更新時にご案内をお届けします(解除は随時可能です)。ぜひ、ご登録ください。