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知財活動の仕組みを創るうえで超えるべきハードル(その2)~持つだけでは守れない

SPECIAL

知財・ライセンスの収益化コンサルタント

株式会社 IPMaaCurie(アイピーマーキュリー)

代表取締役 

知的財産、マーケティング、マネジメント…を融合し、ライセンスによる収益を恒常的に得る仕組を創るコンサルタント。「見えない有益資産」である知的財産を見える化し、将来、億単位の収益向上に繋がる新たな収益力を引き出す独自の仕組みづくりに定評がある。

5月8日発刊の「日経ビジネス」で「顧客は奪い取れ~強い会社の喧嘩術~」という
特集が掲載されていました。その中で、ある企業の社長が30年に及ぶ執念の追跡の末に中国模倣品工場を殲滅させたことが紹介されていました。今も現地の動向に目を光らせているそうです。

一方で、最先端の技術開発を行い、多数の特許を保有している大手企業が中国企業・台湾企業や韓国企業にシェアを奪われている事実もあります。

日経ビジネスに掲載されている企業と、シェアを奪われている大手企業に共通していることは「自社の技術開発の成果を特許化している」ことですが、その使い方には大きな違いがあります。

日経ビジネスでは、日本企業から消えたのは「闘争心」であると書かれていました。

特に、成熟商品を製造販売しているような業態では、市場全体の伸びが鈍化していく中でどうやって他社と差別化をして顧客を振り向かせるかということが重要になりますね。

ここで、知財活動の仕組みを創るうえで超えるべきハードルがもう一つ見えてきます。

それは、「知的財産は持てば自社事業を守れる」という発想です。この発想は、上述の「闘争心」のない発想と共通するところがあります。

つまり、コストをかけて特許を取ればとりあえず自社の製品は保護できる、他社がもし真似をすればそれは「有名税」と一緒で自社の技術が評価された証拠だという発想です。

はっきり言うと、たかが特許一つ取っただけで守れるものなど知れていますし、特許の内容と少し「ずらして」同じ性能・品質のものを作ることはいくらでもできます。

大企業のように資金と人員を投入して大量に特許を取得しても守れないものが、中小企業のように一製品当たり1件程度の知的財産を取得するのがやっとの状態で製品を守ることは不可能なのです。

であれば、その少ない知的財産をいかに有効に活用して自社の売上と利益を伸ばし、次の新開発への投資に回す原資を創るかということを考える方がよほど知的財産を取得する意義があります。

経営者が発想を変えて、執念と闘争心を持って知的財産の活用をすることができるかどうか。

企業が生き残るための選択肢の一つとして考えるべきことです。

御社ではどうですか?

知的財産は「守り」ですか?

「喧嘩=活用」のための道具ですか? 

 

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