財務中心の会社づくりが上手くいく会社の特徴
当社には、実に様々な背景をお持ちの社長さん方がご相談にお見えになられます。たとえば、世間一般から見て、既に強い財務の会社も多く訪れます。具体的には、もう既に、自己資本比率が70%以上だったり、あるいは、ROAが10%以上だったり、内部留保も潤沢、取引銀行に困らないような状態の会社です。
面白いもので、経営が上手くいっている会社ほど、一歩先、あるいは二歩先・三歩先の未来から逆算して、次々と「次の一手」を打ちます。特徴的なのは、このようなタイプの会社が抱えている経営課題は、「今抱えている目先の問題を解決する」という対処療法ではないという点です。具体的には、「××を実現するために、今○○をする」という、いわば、未来から見た逆算思考が習慣化されているのです。だからこそ、益々、強く、盤石な会社に磨き上げられていくのです。まさに、勝つべくして勝つという善循環のスパイラルを回していきます。
それから、スタート時点は、お世辞にも強い財務とは言えない、一言でいうと、非常に厳しい状況におかれている会社の社長さん方もお見えになります。具体的には、自己資本比率が低く、内部留保も薄いため、何かにつけて金融機関や取引先から厳しい対応を余儀なくされている状態です。このような場合は、「苦しい現実をなんとか打開したい!」「少しでもより良い状況に導きたい!」との強い決意と覚悟を持ってのご来社になります。
このような場合は、元々強い財務体質の会社に比べて多少時間がかかるものですが、社長自身がじっくりと財務中心の会社づくりに取り組むことで「儲かって潰れない」「利益を出してお金が残る」強い財務体質を手に入れることができます。つまり、ここで大切なことは、社長自身が「財務」は会社の命運を左右する社長の実務であるという事実と本気で向き合うかどうかにあるということです。
財務中心の会社づくりに成功する会社とは、中長期で考えれば、元々の財務体質の状態というものはむしろ関係ないのです。それ以上に、社長自身が「財務」にどう向き合うのか、つまり、手に入れた財務の実務という武器を、社長がどう使うのかにかかっているのです。
自らの覚悟と決断で会社の未来を切り拓くことが出来るのは、社長しかいません。逆に、過去からの延長線上を既定路線とすることで可能性を狭めるのも、社長しかいないのです。なぜなら、会社の「未来」に関する意思決定ができるのは、唯一、社長だけだからです。
ダイヤモンド財務®コンサルタント
舘野 愛
コラムの更新をお知らせします!
コラムはいかがでしたか? 下記よりメールアドレスをご登録いただくと、更新時にご案内をお届けします(解除は随時可能です)。ぜひ、ご登録ください。