優秀な人材を採用する、退職率を下げる、その解決はハローワーク!?人材とコスト最適化の視点
「退職率が、高くありませんか?」
食品メーカーの社長への私からの質問です。
「そうなのです、優秀そうな人材を採用しても、1、2年で辞めるのです。何のために、毎年莫大なコストをかけて採用しているのか解らなくなります」
一通り確認をさせて頂いたうえで、提言をさせて頂きました。
「ハローワークに切り替えられたらどうですか?」
年商10億の条件が整うと、業績が向上していくことになります。既存の顧客への拡販、新規の案件、そして、内部でこなす業務も急激に増えてきます。そして、それに合わせ、仕組みの改善を進める必要性がさらに高くなってきます。
いままでも、その仕組みの未整備に関する問題は在ったのですが、社長の持つ視点が大きく変わるために、その問題の大きさを強く感じるようになります。売上は増えていくが、仕組みづくりは進まない、その状況に社長は、自分とともに『仕組みづくりを進めることができる人材』を求めることになります。
しかし、その段階では、まだ仕組みづくりができる人材は社内にいません。若い社員の中に、その頭角が見える人材はいるものの、もう少し時間が掛かりそうです。仕組みにより確実にその人材の育成が進むことは予測出来ますが、それだけの時間を待つこともできません。
すべての企業がこの道を通ることになります。そして、このようなときには、外部から『人材の調達』を進めることになります。この段階に進んだ社長の口からも、自然と『調達』という表現が出る様になっています。どんな人材がほしいか、その人材に求める能力も依頼したい仕事も明確になっています。必要なモノは、はっきりしているのです。だから、採用ではありません、「調達」となります。
そして、その調達に向けて、次に考えるべきことは、そんな『優秀な人材』が何を求めるかとなります。その「求める人材に合った内容」で募集をかけることが必要になります。
優秀な人材は、自分の人生に対し、やり甲斐を求めます。自分の能力を思いきり発揮したい、新しい経験をしたい、もっと成長したい。そして、その欲求を満たしてくれる環境、会社を求めます。
そのため、我々は、求人媒体や自社のホームページに、その人材に向けての「ラブレター」を載せることになります。その発信により、優秀な人材を集める確率を格段に上げることができます。
採用では、募集広告によって、「どんな人材を集めるか」をコントロールすることが必要です。優秀な人材がほしければ、「やり甲斐」をうたい、淡々と作業をする人がほしければ、「安定」をうたい、怠け者がほしければ、「福利厚生」をうたう。
それをすることで、採用コストも下げることができます。また、その後の、ミスマッチや退職を避けることができます。
多くの企業では、ミスマッチのために、人材の効率的な活用が出来ていません。そして、その人材は、その能力を発揮できずに、退職をすることになっています。
冒頭の企業では、優秀な人材や元気のある人を集めることに成功していました。これは、周辺の知人社長からは、羨ましがられる状態です。しかし、退職者が多く出ていました。その原因は、そんな人材を「単純作業の業務」に付けていたことです。その人材は、この会社は自分を活かせる環境であると思って応募をし、採用されました。そして、そこで待っていたのは「単純作業」です。クリエイティヴとは程遠く、頭を使うこともできません。その結果、次の環境を探すことになりました。
この会社のそのポジションには、そんな人材は必要なかったのです。そこに合った人材を配置する必要があります。それは、コツコツ、決められたことをこなすことが出来る人材です。暗くてもいいのです。
どちらの人材も企業には必要です。その人の「人」としての価値が変わるわけではありません。人の評価というものは、その環境、すなわち与えられた仕事との相性によって決まります。
頭を使うことに喜びを感じる人材に、それに合った仕事を与え、決められたことをこなすことに喜びを感じる人材にも、それに合った仕事を与える。それにより、会社としても高い生産性を得ることができます。また、それぞれの社員もその仕事に活きる場を得ることが出来ます。
各業務を設計する、その業務に必要な人の要件を決める、その「人」を調達するための募集をする、そして、その中から「合致する人」を採用する、そして、すぐに業務ができるように訓練する。それにより、会社は『最適な手間とコスト』を実現できるのです。全員が優秀である必要は全くないのです。それどころか、それを求めれば多くの無駄を生むことになります。
食品メーカーでは、いままで工場での業務スタッフに「明るく」「考える人材」を求めていました。正しい要件は、「真面目」で「コツコツ」となります。だから、ハローワークなのです。
これにより、『優秀な人材』を採用することが出来る様になりました。募集コストも大幅に削減でき、退職者も減らすことが出来ました。
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