情報発信、永く続けるためのコツ―「慣れ」と「感性」両方磨き続けるには―
私は、地元のメディアであるFM放送や新聞にコメントやコラムの原稿を寄せることによって、事業の販売促進に役立てています。広告と違って全くお金はかけていません。それどころか、逆に原稿料をいただくこともあるくらいです。
こういった場を利用しながら、自分の専門性をアピールしつつ、現在進めている事業の近況や紹介を巧みに織り交ぜてしゃべったり書いたりしています。仕事に関してかなりいい宣伝になっているのではないかと思っています。
ひとつひとつの放送時間やコラムの分量はそれほど大したものではないため、1回や2回では大きなインパクトは期待できないかも知れません。しかし、レギュラー担当者や連載になると、聴取者や読者は定期的にその内容を何回も耳にしたり読んだりすることになります。
その際、番組の前後しゃべり手として、或いはコラムの著者として、会社名や私の名前、肩書などが毎回パーソナリティーの音声や紙面の文字で繰り返し紹介されることになります。話の内容もさることながら、これが事業の紹介と共に大きな宣伝効果を生むのです。
これを続けていくためには「話題の継続的な提供」ということが必要になります。但し、専門家という立場で出演したり書いたりしていますので、その専門性を大きく外した話題というものを持ってくる訳にはいきません。
私には「中小企業経営のコンサルティング」という大きなテーマがあります。これはかなり大きなテーマのため、私の場合、特に「地方の中小企業の経営革新支援」というところに的(まと)を絞っています。そういう背景もあって、普段の生活の中でも、なにかとこのテーマに沿った話題を探すことになる訳です。
この「話題を探す」という点については、それを自分のメインテーマに結びつけなければならないため、ネタとの接点に敏感に気が付く「感性」が必要となります。もっと短く「感」と呼んでもいいかも知れません。
では、どうやったらこの「感」という奴が身につくか、ということですが、これは常にアンテナを敏感にしておいて、そういったチャンスを掴む「癖」をつけるしかありません。自分のメインテーマがはっきりしていれば、それに沿った話のネタは掴めるようになってくるものです。
例えば
―アメリカのトランプ大統領の誕生には、彼の発信するツィッターが大きな影響力を発揮した。―
といった記事を読んだとします。
その記事を
「ふーん、そうなのか。ま、アメリカの大統領選挙とうちの商売とは関係ないからどうでもいいか。」
と、簡単に結論付けるのではなく
「ほほう、そんなにSNSの影響力は大きいものなのか。これを普段使っているのは、きっとそんなに年配の人たちじゃないだろうな。うちの客層ともダブるとすれば、日本でもこの現象は無視できないぞ。」
といった風に発展させて考えていく訳です。
そうして、日本のSNSの普及状況や、周りでどんな使われかたをしているものなのか、などを調べていけば、自分の仕事との接点を見つけ出し、それをテーマに何か書けるのではないでしょうか。
ここで「何か書けるのでは・・」と書きましたが、ラジオでしゃべるにしても新聞にコラムを書くにしても、「書く」という行為が基本になります。基になる原稿を書かないことには始まりません。
それでは、話題を捜す「感」が身についたとして、探し当てた話題を文章化するにはどういった条件が必要でしょうか。何かコツとか、こうすればOK!と言ったポイントとかあるのでしょうか。
これについては、結論は単純明快です。「慣れるしかない。」としか言いようがありません。
「文章化」というのはしんどいといえばしんどい世界ですが、これは慣れていくしかないのです。「これはいいな!」というテーマを見つけても、それを一つのまとまった文章としてまとめ上げるのはかなり億劫な作業ではあります。せっかく見つけたいいテーマも、他人に伝わるように書き上げるにはそれなりに推敲を重ねなければなりません。
しいてコツとして言えるのは、最初からいいもの、完成度の高いものを目指そうとしないことだと思います。70%から80%のできでもいいから、とにかく起承転結に気をつけて、最後まで書き切ってみることです。こういうことを繰り返していれば、やがて完成度の高い文章に近づいていきます。
ただ、この文章をまとめ上げるというしんどい作業も思わぬ副産物を生みだします。この「副産物」については、以に前もこのコラムで触れていますが、また別の機会に詳しくお伝えしたいと思います。
今回書きました「ネタに気付く」「ネタを文章化する」の二つは、「見つける力」と「まとめる力」という言い方をしてもいいかも知れません。
これらの力をつけていただくためのコンサルティングが私の仕事ですが、その波及効果は、おそらくみなさんの想像以上だと思います。
理由は単純明快、それをやっている人が少ない、からです。
ちょっとしんどいけれど、持続的かつ本質的な販売促進効果が上がるこの手法、興味を持ってみませんか。
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