知的財産を活用した「攻め」について改めて考える~社長、自社に応じて「攻め」てますか?
「後藤さん、先日の展示会で当社の業務に役立ちそうなシステムを見つけまして、真似したいんですけど大丈夫でしょうか?」
これは、私の顧客から先日いただいた質問を要約したものです。
最初は顧客の真意がつかめず、「基本的に真似はだめ。また全く調査も何もせずに、真似が可能かどうかの判断はできない」ことをお伝えしたのですが、少し議論していくと要は、「当社の業務システムと組んで面白いビジネスが出来そうなので一度面談がしたい。そして相手も同意すれば、融合したシステムで知的財産権を取得し、積極的に活用をしていきたい」ということが趣旨で、言葉とその選び方が少し変という感じでした。
で、その顧客がおっしゃっていたのが「知的財産権を守りではなく、攻めの道具として使いたい」ということでした。
改めて考えてみましょう。
知的財産権を「攻めに使う」とはいったいどういうことを言うのでしょうか?
法律上は、
「権利行使をする」(差し止め、損害賠償請求等)
「自社製品に実施する」
「他者にライセンスする」
等、使い方は考えられます。
また、「攻める」をデジタル大辞泉で調べると、「戦争・試合などで、こちらから進んで戦いをしかける。」とあります。
これらからすると、「自社が収益を上げ、他社に勝ち続けてさらに成長するために積極的に知的財産を活用すること」が「攻め」になるということでしょう。
したがって、会社によって「攻め方」は変わってきます。
ある会社では、製品開発の成果として生まれた知的財産によって製品価値を高めることが「攻め」になるかもしれませんし、ある会社では、研究開発成果としての知的財産を他社にライセンスや譲渡することで収益を得て次の投資に回し、他社は知的財産を活用して新事業を立ち上げる仕組を作るということが「攻め」になるかもしれません。
つまり、いろんな攻め手を用意し、相手に応じて柔軟に攻め手を繰り出すことも考えないといけないということになります。
守りを重視しつつ、機を見て一気に攻めることも必要かもしれません。
この判断は、経営者が周りの状況、自社の立ち位置、得られた情報から決めねばなりません。
私たちコンサルタントは経営者が決断するための判断材料を提供し、判断の基準についてアドバイスをし、経営者は適切な決断を下し、実行する。
このような関係を築いていきたいものです。
御社は「攻め」ていますか?
そのための「攻め方」を用意していますか?
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