第39号:発展する会社は仕組み作りをしてから教育をする。
飲食チェーン店の経営者さんから「店長がなかなか育ちません。どのような教育したらよろしいですか」という相談をいただいた時の話です。
私がその経営者さんに「店長にどのように育って欲しいのですか」と質問すると、その方は店長さんには「お店の運営全般について自分で考えて適正な利益をつくり出せるようになってほしい」とおっしゃいました。
このように考える経営者さんは非常に多いのではないかと思います。店長さんに自身の思い思いの考え方でお店を運営させれば、一見、自立的な店長に育ちそうに思いますが、実際には店長間に優劣を作ってしまい、結果を出せる店長と出せない店長に分かれてしまいます。
そうなると結果の出せる店長の勘や経験頼みになっていきますが、自分で結果を作れるからといって、それを人に教えることもできるかというと、それはイコールではありません。自分の経験や勘だけでは人に教えることは難しいのです。
また、それぞれの店長のやり方で現場が教育されるため、現場ごとにバラバラの考え方で育ってしまいます。それでは自立的な人材を育てるどころか、会社側が一部のスタッフに依存することになり、いつまでたっても店舗展開を発展させていくことができません。
そこで重要になるのが、仕組み作りです。これからの飲食業に欠かせないのは、お客様をファンに育て口コミや紹介を生み出す仕組みを作ることです。お客様にリピートし続けていただくことです。そのために最も重視していくべきは、商品やサービスの品質の向上と安定です。
いくら良いお店でも商品やサービスにムラがあれば、ファンになったお客様でも期待を裏切ってしまい離れていってしまいます。そうならないためにも、まずはお店側で商品やサービスの品質基準を明確にする必要があります。商品やサービスの品質基準をわかりやすく見える化し、いつでも、誰がやっても、守れるように全社的に教育していくのです。
あなたの店に商品やサービスの品質基準はありますか?基準がないと、人によって言うこと、やり方がバラバラになり、現場スタッフたちは誰の言うことを信じて働けば良いのか分からず混乱してしまいます。
基準を明確に示すことができれば、スタッフたちは仕事がしやすくなり成長も早くなります。まずは、顧客満足を安定化させる仕組みづくりに取り組みましょう。
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