社長に与えられた数少ないチャンスを活かすのはやはり社長!
事業経営を軌道に乗せて安定した利益を出し続けることが極めて難しくなった現在、経営者は周りから様々な経営手法や勉強の機会を勧められます。
それは、経営計画の策定であったり、経営理念の勉強であったり、モチベーションの保ち方であったりといろいろです。
私も、コンサルティング業の他に会計事務所のトップという立場もありますので、お客さんに目標設定や経営計画の策定を勧めたり、経費の見直しに取り組んでもらったり、と経営を上向かせるための施策については、様々な方法論をお勧めしているのです。
これはこれで、社長が必要と感じたり有効かも、と思われるものについては前向きに取り組んでもらいたいと思っています。時間とお金が許すならば、できるだけこういった取り組みに対しても努力するべきです。
ところで、これらの方法論には一つの特徴があります。
それは、ほとんどの場合こういった取り組みを実践しても、その内容は直接お客さんに問いかけるものではない、ということです。
例えば、経営計画で「売上これこれを目指そう。そして、利益はこれこれを達成しよう。」といったものを作ったとします。その内容も良く吟味されて、かなりいいものが出来上がったとしましょう。
それでも、それを作った時点では、お客さんとは何の接点もありません。
つまり、こちらが苦労して経営計画を立てようが、それがどれほど素晴らしいものであろうが、そんなことを知る由もないお客さんにとっては全く関係のない話なのです。
立派な経営計画を立てるということは、それに基づいてこういった行動を起こそう、それがお客さんに支持され、売上にこういった形で反映されるだろう、という具体的なところまでいかないと意味がない訳です。
理念についての勉強や、モチベーションアップの研修などについても同じことです。こういったことについていくら社内で勉強し努力したとしても、それは内側の話であって、対お客さんということでいえば、その時点では全く関係がないのです。
つまり、この手の勉強や研修は、後ほど間接的には効果が期待できるかも知れませんが、直接的にはお客さんに対して何ら影響を及ぼすものではありません。
それは基本的には、方向軸が内側に向かって行なわれるものであるからにほかなりません。
それでは、「対お客さん」ということで直接効果のあるものは何でしょうか。
それは言うまでもなく、広告宣伝をはじめとする販売促進活動であり、直接売り込む営業活動です。
これらの研究や勉強は直接対お客さんを意識したものであり、その方向軸が外側に向かったものなのです。
販売促進や営業活動についても、どうやれば効果的か、といった研修やセミナーも多く行なわれています。もちろんその内容についても、最終的には経営者が指揮権を発動し、リーダーシップを発揮することでその効果が上がるように構成されています。
ただ、これらの場合、当たり前のことですが「組織を動かす」ということが前提となっています。
販売促進にしても営業活動にしても、そのコンサルティングは組織の一員としての社員が動かなければ機能しないような内容になっているはずです。そういう意味では、先述の経営計画や理念の勉強ほど「間接的」という訳ではありませんが、組織に落とし込み組織が動き出す、のに多少のタイムラグがあるのです。
一方、私がお勧めしようとしているメディア戦略は、当初社長一人に頑張ってもらおうというものです。
社長がまず先頭に立って顧客に或いは顧客候補となる人たちに直接アプローチしてもらおうというものです。
決断し、動き始めるのもまずは社長本人から・・という戦略なのです。
事務的な手続きなど多少は社員のサポートをもらってもかまわないのですが、一番肝心なところで動いてもらうのは社長一人です。
ということは動き出すスピードが早い、ということになります。
コンサルティングが終わった瞬間から、或いはコンサルティングの途中からでも動き出すことができます。パーソナルな情報発信については、ブログ、コラムなどSNSなどの媒体を通じてすぐにでも取り掛かることができるのです。
例えば、イベントのお知らせなどは、社員でも書き込むことができますし、単発のメディアのインタビューなどに応えることもできるでしょう。しかし、継続的に我が社をアピールし続けることは社員には不可能な話です。
そもそも、社長と社員とでは基にあるソースがまるで違います。
事業について多くを語れるのは社長しかいないのです。
ただ、これまでは社長の継続的な情報発信を戦略的に解説するプログラムがありませんでした。
社長のためのメディア戦略は、社長が直接販売促進や営業戦略にコミットできる社長に与えられた数少ないチャンスなのです。
この貴重なチャンスを活かすのも殺すのも社長次第です。
実現までのスピードが極めて速いこの戦略を是非研究してもらいたいものです。
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