商社が売ってくれるという「丸投げ発想」では100%売れない。
「数年かけて開発した新商品がようやく完成しました。商社に売ってもらいたいのですが、どうやってアプローチをすれば良いのでしょうか?」
以前に弊社セミナーに参加された経営者からのご相談です。
売れるニオイがプンプンするだけに、販売をあまりにも安直にお考えの様子だったので、ずばりご指摘をさせて頂きました。
販売を商社に依存するような丸投げ思想では、どんなにポテンシャルのある商品でも売れないからです。
このような販売丸投げ発想は、請負・受託業の企業にはよくよく見られる光景です。
新規開拓は経営者自身が太い取引先を数社獲得。
営業マンは不在で、社員はみな技術系。
これから新しく営業マンを募集するにも、営業マンをマネジメントした経験もないし、そもそも固定費をかけて売れなかったらどうしよう…。
やはり、苦手なものは特な人に任せるのが鉄則。販売は商社に任せてしまった方が懸命なのでは…。
こう思うのは、至極当然のことだと私も思いますし、立ち上げ当初においては、懸命な判断だと支持致します。
しかし、販売の手足は商社に任せても、販売の脳みそはメーカー側になくてはいけません。
商社は、あらゆるメーカーの商品を取り扱っており、各営業マンによっても、販売したい商品の優先順位が異なります。
その優先順位をあげてもらうためには、「売れそうだ!」「儲かりそうだ」「成績があがりそうだ!」という期待価値を高め、我が社の商品を“エコヒイキ“してもらう必要があります。
そのためには、自社が最終顧客にセールスするのと同等の知恵と努力を振り絞らなければなりません。
決して、手放しで販売してくれるほど甘くはないのです。
具体的なアドバイスは、弊社独自の営業戦略のたて方である「波及営業」を徹底しておこなうことをご助言しました。
あの会社が購入したのなら、素晴らしい商品に違いない…というインパクトユーザーを受注し、その実績を武器にしたセールスツール(チラシ)を商社に提供する。
第三者からの評価は、商社の営業マンからすれば「売れそうだ!」というニオイを醸し出す最強のツールとなるから、ここの手は絶対に抜かないように…。
さらに、その売れるニオイを増幅させるために、プレスリリースを出してメディアからの取材を喚起したり、推薦状を同梱したDMで、直接需要を掘り起こす努力をします。
引き合いが来たら、商社の営業マンを同行して「営業トーク」を学んでもらい、その場で売ってみせる。
受注が決まったら、「お土産」として持って帰ってもらいエコヒイキしてもらいやすい関係づくりを行う。
目先の粗利をすてて広告宣伝費として捉え、とにかく「売れる空気感」をつくり出す事に全身全霊をかけていくのです。
商社という会社と付き合うというよりは、商社で働く営業マンと付き合うスタンスがポイント。
ビジネスですから「売りやすい」「儲かる」という現実的な利益も大切です。
だたそれ以上に「売れたら社長が喜ぶだろうな!」という人間的な感情も、非常に重要なのです。
商社経由で販売を成功させたいのなら、丸投げ思想は厳禁です。
商社の営業マンの営業モチベーションをいかに上げるか…
この発想と努力なくして、貴社の商品が商社経由で動き出す事はありません。
あなたは顧客のみならず、営業マンの感情や心の動き方を先読みする努力を怠ってはいませんか?
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