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経営と深く関係するメディアのあり方と時代性について  

SPECIAL

地方メディアの高度有効活用コンサルタント

株式会社メディアコネクション

代表取締役 

広告分野における地方メディアの高度有効活用を専門とするコンサルタント。東京在住中のマーケティングビジネス経営の経験と地方企業への経営革新支援ノウハウの融合させた、独自の「儲かるための広告戦略」を開発。自らも成功実践事例として、地方メディアを舞台に展開。

新聞各社、朝刊の宅配部数が、近年かなり減ってきていると聞きます。近年というよりだいぶ前からこの現象は始まっているのでしょうか。確かに30代から20代の私の子供たち(女、女、男の3人です。)は、学生の頃から誰も新聞を取っていませんでした。

特に平成生まれで3人姉弟末っ子の長男は、ほとんどの情報収集(発信も含めてですが・・)をネットで済ませているようで、おそらく、宅配新聞の定期購読など頭をかすめたこともないでしょう。彼が大学卒業を控えて、就職活動している頃、さすがに「最低でも日経新聞の記事やコラムなどは読んどけよ。」とアドバイスしました。それでも、たぶん電子版は読んだとしてもペーパーの新聞紙を手にすることはついぞなかったのではないでしょうか。

この世代になるとテレビもそれほど熱心に見ることはないようで、兄弟間や家族間の話題に、ヒット中のドラマの話などが交わされることはほとんどありません。これはどうも我が家だけの現象ではないようです。昔のように、老若男女誰もが見たり聞いたりして知っているヒット番組やヒット曲、アイドル、タレントといった「共通項」は、もはやあり得ないのかも知れません。かつて、こういった「世代を超えた共通項」を世に送り込んでいたのが、マスメディア・・・テレビ、ラジオ、新聞といった媒体だったといえるでしょう。

このような身近な現象を見ていても、旧来の基本的なマスメディアである宅配新聞やテレビといった媒体のあり方が、これまでとは大きく変わってくるだろうことが読み取れます。これらのメディアが、今のままの形態を維持することは、今後かなり難しくなってくるのではないでしょうか。

メディアを取り巻く環境が大きく変わり、これまでの価値観では測れない時代に突入しようとしているのです。

変わってしまったメディアのあり方・・その特徴については、いくつか挙げることができます。

まず、「選ぶ」から「検索する」に変わったということです。

テレビ番組というのは、基本的に「選ぶ」対象です。新聞なりの番組欄を見て、観たい番組にチャンネルを合わせ、その放映時間になったらテレビの前に陣取ってその番組を見る訳です。

今の、特に若い人は、様々な選択肢があるなかで生きているために、そういった場所と時間の両方が制約されるということを好みません。好きな時間に好きな場所で好きなようにやりたいのです。そうなると今のテレビのあり方はだんだん厳しくなることが予想されますし、実際そうなっているようです。

つまり、あらかじめいっぱい並べられたコンテンツの中から選ぶのではなくて、「こんなものはないのか?」と、こちらが事前に指名或いは想定したものを「検索」するというスタイルに変わっているのです。選ぶ主体性はこちら側にあります。しかも、見たい知りたいコンテンツが、ただ選びやすかったり見つけやすいというだけではありません。スマホを使えばそのコンテンツを「今、ここで」見ることができる、と、時間と場所も選択自由なのです。

この、ネットという媒体によって得られる自由度は、極めて大きいと言わざるを得ません。これだけ極端な自由度を手に入れた世代が、主として発信側の都合が優先される旧メディアのサービス体制に、以前のような形で戻ることは考えられないのです。もちろん、旧メディアがすぐになくなるとは思いませんが、例えば朝刊の宅配が大きくその数を減らすとか、テレビはそのほとんどを録画して好きな時間帯に見るようになるとかいった変化は止まらないでしょう。そうなれば、テレビの「ゴールデンタイム」のような特別な時間枠といった考え方は、やがてほとんど意味がなくなるといっても過言ではないでしょう。

メディアを取り巻く環境が大きく変わった中で、その特徴の2番目は、メディアのチャネルがめちゃくちゃ増えたことと、そのほとんどが双方向性であるということです。

インターネットを基盤とした様々な媒体、特にSNSに関してはそのサービスはより取り見取りです。ツィッター、FB(フェイスブック)、インスタグラム等、様々な媒体を選ぶことができます。こんな風にコラムを書いて、それをHPで発表することも可能です。しかも、このコラムは自社のHPだけでなく、同業者グループのHPでも取り上げてもらっています。もし、他のコラムなどで引用でもしてもらえば更に広がっていく訳です。パーソナルメディアとはいえ、接点を持つ人たちの大きな分母を作っていくパワーとスピードは、決して侮れたものではないのです。

私は普段FBをよく触っていますが、情報の受発信についてはその両方を割とまめに行なっている方かも知れません。中にはほとんど読むだけで、自分からはコメントを入れてこない人もいます。こういう人は情報の受信媒体としてだけ、FBを位置付けているのでしょう。ただ、そんな人も「いいね」はポチッと押してきたりしますので、完全に双方向性が成立していない訳でもありません。このチャネルの多さと、双方向性SNSを中心としたパーソナルメディアの大きな特徴といえましょう。

更に、SNSはそれ自体を増殖させることができます。個人レベルでは発信する情報の総量にもコンテンツのバリエーションにもある程度限界があるかも知れません。しかし、法人であれば、スタッフをうまく動員すれば、組織的に様々な情報を複層的に発信することも可能です。したがって、SNSを複数運営してそれを媒体として活用することも不可能ではありません。

このように、メディアもマスメディア以外にもその選択肢が増え、様々な利用法が可能となった現在、それを駆使してビジネスに応用していかない手はありません。いわゆるメディアミックスについてはいろいろなノウハウ本、専門書が出ていることと思いますのでそこには触れません。

むしろここでは、冒頭に触れた近年どちらかといえば旗色の悪くなった旧メディアについて考えたいと思います。同じメディアミックスでも、SNSのような現代的メディアとテレビ、ラジオ、新聞のような旧来のメディアのミックスを考えたいのです。

乱暴な言い方かもしれませんが、旧メディアをアナログ、新メディアをデジタルとすればその両方を活用すべき、と考えるのです。というのは、インターネットとともにSNSといった媒体が急速に普及発展してきたといっても、活字や電波といった旧メディアの社会に対する影響力を排除することはできないからです。例えば、「新聞」という媒体は、現在でも信頼度については一定の重さを持って敬意を払われています。世間にからの信用の度合いはまだまだ高いといえましょう。自社のHPにコラムを書くのと、一般紙のコラム欄に取り上げられるのとでは重みに差があります。テレビやラジオも同様でしょう。もし、自社の展開しているビジネスがテレビのビジネス番組特集にでも取り上げられれば大きな反響が考えられます。ラジオ聴取率も、今はそんなに高くはないとはいえ、結構いろいろな人が聞いています。

私は、旧メディア新メディア、その両方を利用することで会社のアピールに役立てています。というのは提供する情報、コンテンツを両方で発信しているからです。表現や長さなど微調整はしていますが、両方の媒体を駆使して、届けたい情報を発信しています。しかもそんなに難しいことをしているという意識はありません。この方法論は是非、地方の経営者の方にも取り入れていただきたいのです。その媒体利用の具体例等については、これから少しずつご紹介していきたいと思います。 

 

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