第34号:ミッションを持つ会社と持たない会社は何が違うのか
物を売っていた時代のビジネスモデルは、時代に適した人気商品を開発して、そこに適正な価格を設定し、いかに販売促進するかで成り立っていました。しかし、このパターンを繰り返せば、売れる商品を開発したとしても、すぐに競合他社に真似をされ、やがて価格競争になってしまいます。
少し前の話になりますが、花畑牧場さんが開発した「生キャラメル」をご存知の方は多いでしょう。この商品は社長の田中義剛さんが芸能人ということもあり、マスコミ効果とあいまって大ヒットしました。ところが、あっという間に類似品が次々と出て、花畑牧場さんは売上が一気に低下し、一時は倒産の危機にまで追い込まれました。
このように、いまだに多くの企業がこうした物売り時代のビジネスモデルのパターンを繰り返しているのが現状です。
しかし、現代は価値を売る時代です。価値というのは商品のみから得られるものではなく、商品に付帯したサービスと融合されて得られます。商品サービス等の全てに一貫性を持つことで、消費者は価値を実感しその会社のファンになってくれるのです。
商品サービス等の全てに一貫性を持たせるには、顧客の真のニーズを理解しているかどうかがカギになります。消費者のニーズを理解するということはどういうことをいうかというと、消費者が商品を購入する前、商品を利用する時、そして商品の利用が終わった後、すべての顧客接点において、消費者心理の移り変わりや動向を把握している状態です。
消費者の理解を深めることで、商品に顧客ニーズを満たすサービスを付帯させることができます。それにより、顧客が商品だけではなく、その商品を提供する会社に対して高いロイヤリティーを抱いていただけるようになります。
すなわち、これからの時代は商品の価値だけではなく高いホスピタリティーを提供し会社のファンを作り上げることが大切なのです。そこにおいて、ミッションを持つことは欠かせないと言えるでしょう。
ミッションとは企業の存在価値です。「どんなお客様に」「どのような価値を」「どのようにして提供していくのか」を明確にすることです。ミッションが明確な企業は、顧客の満足を追求するために顧客の全体最適に向けて全社が一丸となって動いています。
ミッションを持つことで、会社の判断基準が1つになりチームワークが向上します。
ミッションを持つことで、会社のファンが育ち、安定的な業績向上が見込めます。
ミッションを持つことで、顧客満足が向上し、価格競争から脱却できます。
永続経営のために企業はミッションを持ちましょう。
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