飲食店内禁煙法案とマネジメントを考える
2020年の東京オリンピック・パラリンピックを「たばこの無い五輪」にしようと受動喫煙対策法案を政府が検討をしています。
飲食店でも建物内禁煙を原則としていましたが、小規模で主に酒を提供するバーなどを適用外とするなどの例外の調整で難航をしているようです。
酒をメインにする店はさておき、食事をする店での煙草の煙はいかがなものかと思います。
私は禁煙をして20年近くになりますが、煙草を吸っていたときでも、食事中に他人に煙草を吸われるのが嫌でした。また、煙草を吸う友人に聞いても、同じことをいいます。
というのも、食べ物の味は、香りがとても重要な役割を果たしているからです。
例えば、風邪を引いて鼻が詰まっているときには味がよくわかりません。鼻をつまんで食べても、香りを感じないため美味しくありません。
美味しく食事をしているときに、煙草を吸われると匂いがきついため、折角の料理の香りを打ち消してしまいます。
そのため、いち早く店内を全面禁煙にして、屋外に灰皿をおいてある飲食店もあります。
ところが、店内全面禁煙にしても煙草の匂いが気になることがありました。他のお客様が煙草を吸った直後に隣に座ると結構な煙草の匂いが漂ってきます。お客様は店の外で煙草を吸ったわけですから、煙草を吸うなとは言えません。
しかし、店のスタッフがオーダーをとりに来たときにタバコ臭がするのは言語道断です。眼鏡店でも店員が接客に付いたときに、強烈な煙草臭を感じたこともありました。
デリバリーでも、商品を渡すときに煙草の匂いが漂ってくるスタッフもいます。
きっと休憩の時間に煙草を吸っていたのだと思いますが、お客様の立場からしたらとても不快です。
煙草を吸うなとは言いませんが、接客業である限りは、煙草を吸ったらお客様の前に出る前に消臭をするべきです。
これはスタッフのモラルだけではなく、店の教育やマネジメントの問題です。煙草を吸っていれば、本人が匂いに気付いていないことのほうが多いでしょう。気付いていなければ、消臭しようとは思いませんから、店はそのことを教えなければなりません。
そのためも、明文化されたハウスルールが必要です。
ハウスルールには、店の理念や社長の想い、1つ1つの仕事の意義を書いておきます。
そして、採用時には具体的に作業をさせる前に、必ずハウスルールの説明をして、店の方針を理解してもらいます。
ハウスルールは、店の全ての行動の基準になる憲法みたいなものです。
もし、お客様から「スタッフの煙草の匂いが気になった」と言われたら、行動の指針にとなるハウスルールに添った形で、どのような対策を建てていくのかスタッフ全員で考えるようにします。
社長や店長などからこうして欲しいと指示命令すれば簡単に済むことかもしれませんが、時間とコストは多少掛かっても自分たちで考えた対策の方がはるかに徹底して実行されます。
ある店ではこの問題に対して「休憩中の煙草はOKだが、煙草を吸ったら消臭する」ことをスタッフ全員で決めました。どのように消臭するのかをネットで調べて、
- 口臭は、深呼吸をしたりガムを噛んで抑える。
- 手の匂いは、アルコール液を使って消毒する。
- 服の匂いは、TVCMでもおなじみの消臭スプレーを使う
以上3点が決まり、確実に実行されるように、ガムやアルコール、消臭プレイなどの消臭ツールを休憩室等に備えることにしました。
お店をしていれば、いろんなことがあります。お客様から指摘されること、スタッフ自身が気付くこともあるでしょう。
そのときに、スタッフ全員がその問題を解決するためにはどうしたらよいのかを考えて行動できれば、仕事への考え方も前向きになります。
自分の意見が反映されれば、他人事から自分事へと仕事への意識が変われば、たとえアルバイトであっても、仕事は楽しくなっていきます。
そして、そんな店は売上や雰囲気もとてもいいのです。
あなたの会社や店では、スタッフ自身が考えて動くようなシクミができていますか?
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