金融機関対応で失敗する後継社長の特徴
当社は、同族会社専門の財務コンサルティング機関ですので、当然、金融機関とのお付き合いに関するご相談も多く寄せられます。
最近では、特に「これから社長になる」という後継社長さん方からのご相談が多いのですが、社長に就任される前の段階から財務中心の会社づくりを進めている後継社長は、何もしていない後継社長に対して大きなアドバンテージを得ることができますので、できるだけ早期のご来社をおすすめしています。
特に、金融機関対応に関しては、「融資する側の仕組みを知っている社長」と「何も知らない社長」とでは、天と地ほどの差が出てきます。
そして、最も怖いのは、一度、金融機関対応でミスを侵してしまうと、それを挽回するのに、時間だけでなく、多くのお金や労力を費やすことになってしまう点です。ところが、実際のところは、この事実を、多くの後継社長は知らないまま、無意識のうちに意思決定をしてしまっているのです。
こんな話をすると、「えっ?そんなことないよ!」「俺は大丈夫。ミスなんてしないよ!」といったお声が聞こえてきそうです。では、ここであなたに質問です。あなたは、自分の会社の担保の状況、それから個人保証の状況、各金融機関別の各種条件(返済期間や金利など)がすべてアタマの中に入っていますか?そして、それは、自社にとって妥当な取引条件であるという確証が得られていますか?
このようなことを聞くと大抵の場合、「金利は○パーセントです!」というコトバが返ってくるのですが、その他のことになると「う~ん。どうだったかなぁ?」「父に聞いてみないとわからないなぁ・・・。」といった具合に、急に言葉に詰まってしまうのです。
「お金の借り方」にも、そして「お金の返し方」にも、社長が絶対に見落としてはいけないチェックポイントがあります。
しかし、実際のところは、あまりにも多くの社長がその事実を知らないまま、『皆さんそうしているから、仕方ないんです。』といわれて、銀行のいいなり、先代社長のいいなり、税理士のいいなりになってしまっています。これは大変悩ましいことです。
最も重要なことは、「儲かって潰れない」「利益を出してお金が残る」強い財務体質の会社にするためにはどうすべきか・・・?ということを、後継社長自身が、本当の意味で「知っている」か「知らないか」です。
財務は、あくまでも社長の実務です。経理担当者や顧問税理士の仕事ではありません。社長が財務中心の会社づくりを自ら行わない限り、5年後10年後も強く永く続く会社づくりはできないのです。
ダイヤモンド財務®コンサルタント
舘野 愛
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