「作ること」と「売ること」と知財活用~社長、売れるものを作って、欲しい人に売りましょう!
「後藤さん、ご丁寧な対応有難うございました。私も同じことを考え、お客様に伝えていました。第三者の目でご意見いただけたことはクライアントにとっても参考になると思います。今後ともよろしくお願いいたします。」
これは、先日あるお客様の取引先で開発した製品についての意見を申し上げた後に、そのお客様からいただいたメールの一部です。
その取引先には非常にお世話になっているということで、何とかその取引先を助けたいということから意見を求められ、率直な意見を申し上げました。
製品の内容や、取引先について詳しいことはここでは書きませんが、開発した製品は、私から見ても、誰が見ても「作れる製品を先に作り、どこの誰に売るかを後から考える」という類のものでした。
これ、持ち前の独自技術を有する下請け企業で最も失敗する典型例の一つに陥っているのですが、当事者はそれがわからず、コストをかけて在庫の山を作っている状況なわけです。
- 誰に対して、
- どのような製品を
- どのくらいの価格で
- どうやって売るか
ここを考え抜いて、実際に売れるかどうかサンプルで検証してみて、これなら売れる!という確信を得てから実際の事業化・量産化を手掛ける。
このステップを踏まず、いきなり考えたアイデアを製品化だけして成功した例を私は知りません。
中小企業の場合、「作れるものを売ろうとする」ことに走りがちです。今まで、取引先の仕様通りに作り、そこから培われた技術力を高めていけば生き残れていましたから、得意技である「作ること」に走るのは当然かもしれません。
しかし、「作る」ためには「売る」ことを考えなければ、ただの自己満足に終わります。「売れる」ことを確信し、そのためにどんなものを作り、その「作ったもの」を知的財産を活用して守り、また「売る」ことに活かしていくか。
すべてが繋がっていなければ事業化は成功しないはずです。
もし、「自社ブランドの製品を作りたい」とお考えの社長様がおられたら、今一度考えてください。
その製品は「売れる」ものですか?
「売る」ためにどうするかは決めていますか?
「売る」前に、どうやって知財を取得し、活用するかを決めていますか?
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